カミッロ・デ・ナルディス

カミッロ・デ・ナルディス（Camillo de Nardis）は、1857年5月26日にイタリア南部のオルソーニャに生を受けた作曲家、指揮者、そして音楽教育者です。文献によってはカミーユ・デ・ナルディス（Camille de Nardis）と表記されることもあります。

彼の音楽的なキャリアは、ナポリにあるサン・ピエトロ音楽院での学びから始まりました。この権威ある学府で作曲を専攻し、研鑽を積んだナルディスは、1879年に見事ディプロマを取得してその課程を修了しました。

卒業後、彼は教育者としての道も歩み始めます。母校であるサン・ピエトロ音楽院で、1882年から1884年にかけて教鞭を執りました。その後、活動の場を移し、1892年から1897年まではシチリア島のパレルモ音楽院で後進の指導にあたります。再びナポリに戻った1907年には、三度サン・ピエトロ音楽院の教員に就任しました。この際、彼は音楽院における極めて重要なポストである副院長職を、パオロ・セッラーオの後任として引き継ぎ、1929年までその責務を果たしました。長きにわたり、多くの音楽家を育成し、ナポリの音楽界の発展に貢献したと言えるでしょう。

教育活動と並行して、ナルディスは指揮者としても活躍しました。特に、ナポリが誇る歴史的なオペラハウス、サン・カルロ劇場の指揮台にも立ち、オペラや管弦楽作品の演奏を率いました。

作曲家としての作品もいくつか知られています。彼の作品は、既存の宗教音楽の主題を用いた前奏曲や、規模の大きな交響詩など、多様なジャンルにわたっています。以下に代表的な作品をいくつか挙げます。

トラエッタの「スターバト・マーテル」の主題による敬虔な前奏曲
ペルゴレージの「スターバト・マーテル」への前奏曲
* 交響詩「宇宙の審判」

ナルディスは、イタリア音楽界、特にナポリにおける教育と演奏の両面で重要な役割を果たしました。1951年8月5日、94歳の生涯をナポリで終えました。彼の功績は、サン・ピエトロ音楽院の歴史と共に記憶されています。

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