カムカム

カムカムとは

カムカム（学名：Myrciaria dubia）は、フトモモ科に属する常緑低木で、ペルーのアマゾン川流域の熱帯雨林に自生しています。別名として、Camu camu、CamuCamu、Cacari、Camocamoなどとも呼ばれています。ジャボチカバやグアバベリーとは近縁種です。

特徴

樹高は約3mまで成長し、白い光沢のある芳香を放つ花を咲かせます。葉は数cmから20cm程度の長さで、幅は1～2cmほどです。カムカムは水辺に自生し、その名前は、水に落ちた果実を魚が食べる際の擬音に由来すると言われています。

果実はサクランボのような赤紫色をしており、100gあたり約2800mgという驚異的な量のビタミンCを含有しています。これはレモン果汁の50～60倍にも相当します。また、アミノ酸のバリン、ロイシン、セリンや、フラボノイド、エラグ酸なども豊富に含んでいます。

果肉は柑橘類のような甘酸っぱさが特徴で、清涼飲料水やアイスクリーム、菓子などに加工されています。また、果肉を粉末状やカプセル状にしたものが、健康食品として先進国で販売されており、特に日本への輸出が多いのが現状です。

栄養と効果

カムカムの栄養機能や活性成分に関する研究はまだ十分とは言えませんが、抗酸化作用や抗炎症作用に関する研究が進められています。近年では、高血圧ラットを用いた実験で、血圧抑制作用がある可能性も示唆されています。

歴史と栽培

野生のカムカムは、古くから先住民によって利用されてきましたが、栽培が始まったのは比較的最近のことです。アルベルト・フジモリ大統領（当時）の農業政策の一環として、栽培が奨励されました。カムカムは栽培が比較的容易で、高温多湿な気候でよく育ちます。特に川沿いなどの水分を好む環境で生育し、洪水にも耐えることができます。実をつけるまでには4～6年ほどかかります。

近年、野生のカムカムの利用が増加し、絶滅が危惧されるようになったため、現地では栽培がさらに奨励されています。ペルー政府は、生の果実や木、種子などの植物体の国外持ち出しを原則として禁止していましたが、加工品については例外としています。日本では、2004年に浜名湖花博で特別許可を得て初めて木が公開されました。

現在では、アマゾン下流のブラジルでもカムカムの栽培が行われており、ブラジル産の種子や苗も日本で入手できるようになっています。

今後の展望

カムカムは、その豊富な栄養価と機能性から、健康食品としての需要が今後も高まることが期待されます。今後の研究により、さらなる有効性や活用法が明らかになることが期待されています。

外部リンク

カムカム協会 - カムカムを広める協会

もう一度検索