カメハメハ1世

カメハメハ1世



カメハメハ1世(Kamehameha I)は、1758年に生まれ1819年に亡くなったハワイの歴史的重要人物であり、ハワイ王国の初代国王として広く知られています。彼の名は「カメハメハ大王」とも呼ばれ、ハワイ州民から特別な愛情を寄せられています。また、「カ・メハメハ」というハワイ語は「孤独な人」や「静かな人」を意味します。ハワイ語は歴史的に文字を持たない言語であったため、古文献では「ハメハメハ」と表記される例も存在します。

生い立ちと国家統一


彼はハワイ島のカパアウで誕生し、その出生に関しては数多くの説があるため、生年も確定していません。ただ、彼はハワイの北西部で幼少期を過ごし、カパアウには彼の像が建てられています。カメハメハは、ハワイ島首長カラニオプウの甥であるといわれています。若いころ、ヒロで「ナハの石」を動かしたという伝説があり、これが彼の後の王国統一に対する期待感を高めました。

カメハメハは、叔父の死後、彼の長男キワラオを打倒し、ハワイ島内の権力を掌握しました。以後、イギリスからの武器や軍事顧問の援助を受けて、隣接するマウイ島オアフ島を次々と征服し、18世紀末までにはハワイのほとんどを支配下に置きます。最終的には1810年カウアイ島とニイハウ島をも服属させ、ハワイ全体を統一しました。

優れた外交感覚


カメハメハ1世は、外交面においても優れた才能を発揮しました。彼はイギリスアメリカ合衆国との良好な友好関係を築き、ハワイの独立を守りながら、伝統的な文化の保護と繁栄に寄与しました。特に「ママラホエ」という法律は戦時における非戦闘員の人権を保護するもので、今日でも多くの国で受け入れられています。カメハメハ1世の後、カメハメハ2世および3世を補佐する副王カアフマヌとともに、旧習の撤廃に取り組みました。

軍事力の強化


1789年、カメハメハ1世の政敵であるカメイアイモクによる攻撃事件を契機に、彼はアメリカ人メットカーフ親子によってハワイ大領域を守るため、軍の強化に乗り出します。1790年には、エレアノラ号とフェアーアメリカン号の乗組員が血まみれの事件を経て達成した交流をきっかけに、首長デービスとヤングを軍事顧問として迎え入れて火器の調達を進めました。これにより彼は多くの火器を所有し、強力な軍隊を構築しました。

大王像とその記憶


カメハメハ1世の像は、現在ハワイ州内に3か所存在します。特にホノルルのダウンタウンにある像は1878年にイタリアで造られたものですが、輸送中に海に沈んで再度作られました。左手に持つ槍は平和を象徴し、右手はハワイの繁栄を示しています。像のモデルはカメハメハ1世本人ではなく、当時の王カラカウアが選んだ美男子トーロであったと言われます。

日本における知名度


日本でも彼の名は広く知られており、1976年放送のNHK『みんなのうた』に登場する童謡「南の島のハメハメハ大王」で紹介されています。また、彼はプロレス界でも知られ、キング・イヤウケアが王朝の末裔であることが話題になりました。競走馬・キングカメハメハの名が彼に由来していることや、漫画『ドラゴンボール』の「かめはめ波」の名称もカメハメハに基づいていることは、彼の影響力を物語るものです。

このように、カメハメハ1世はハワイの歴史において特別な役割を果たし、その名は今でも広く認知されています。

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