カヤーニ

カヤーニについて

カヤーニはフィンランドのカイヌー県に属する地方自治体であり、同県の県庁所在地としての役割を果たしています。市内には美しいオウル湖が広がり、オウル川を通じてボスニア湾に流れ込んでいます。かつては松から得られるタールの生産地として知られたカヤーニには、現在ではスウェーデン語を話す住民は非常に少なく、全人口のわずか0.1%程度となっています。

歴史

カヤーニの設立は1651年に遡り、当時のフィンランド総督ブラーヘによって創設されました。歴史を重ねる中で、カヤーニはタールの主要な生産地として、オウル川を通じてヨーロッパ各地に輸出を行っていました。タールは当時、船の腐食防止などに用いられた重要な資源だったのです。

市内にはカヤーニ城跡が残っており、これは歴史的にも重要な遺構とされています。カヤーニ城は1604年に建設が始まり、1666年に完成しました。行政の中心地とされ、刑務所や軍事基地としても利用されていたこの城は、1716年にロシア軍により爆破され、その跡地は今では公園として市民に親しまれています。

20世紀初頭には、ヘルシンキとサンクトペテルブルクを結ぶ鉄道が開通し、カヤーニ地方の工業化が促進されました。特に第二次世界大戦後、カヤーニは急速な発展を遂げましたが、1990年代以降は人口が減少の一途を辿っています。1977年には周辺の自治体と合併し、「カヤーニ市」として再編成されました。さらに2007年にはヴオリヨキと合併し、規模が拡大しました。

交通

交通インフラも充実しており、カヤーニ空港はヘルシンキとの間で定期便を運航しています。鉄道も整備されており、ヘルシンキ、オウル、ロヴァニエミ方面へは1日6～7便が運行されています。また、主要な高速道路も2本通っており、アクセスが良好です。

文化

カヤーニは文化的にも豊かで、1993年に開館したカヤーニ美術館ではフィンランドの現代美術が楽しめます。1969年に設立されたカヤーニ町劇場は、高い評価を受けており、毎年数多くの公演が行われています。この劇場は近隣の市町村でも出張公演を行い、地域文化の重要な拠点となっています。また、有名なイベントとしては、カヤーニ詩週間やカイヌー・ジャズ・スプリングがあり、多くの人々が参加しています。

経済

経済面では、製材業と製紙業が重要な産業です。1919年に稼働したUPMカヤーニ製紙工場は、長い間地域の重要な雇用源でありましたが、2008年に閉鎖の決定が下されました。一方、製材工場は引き続き運営が続けられています。また、フィンランド最大のカイヌー旅団が駐留する軍事基地もあり、地域経済に影響を与え、毎年多くの民間人と兵士が雇用されています。さらに、カヤーニ応用科学大学もこの地に学校を構えており、高度な教育を提供しています。

姉妹都市

カヤーニは国際的な交流を促すために、数つの姉妹都市を持っています。スウェーデンのエステルスンド、ロシアのロストフ・ナ・ドヌ、ドイツのシュヴァルム＝エーダー郡、ハンガリーのニーレジハーザ、アメリカのマーケット、中国の九江市がその都市にあたります。これらの姉妹都市関係は、文化や経済の交流を深め、地域の発展につながっています。

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