ロヴァニエミ

ロヴァニエミは、フィンランド北部のラッピ県に位置する都市で、同県の県庁所在地であり、経済の中心地としての役割を担っています。ケミ川が流れ、北極圏のすぐ近くに位置しており、その地理的な特徴から、観光地としても人気があります。

地理と概要

ロヴァニエミは、かつてのラッピ州の州都であり、現在はラッピ県の行政の中心です。2006年に周辺の町を合併した結果、その面積は8,017平方キロメートルと広大で、兵庫県とほぼ同じ大きさを誇ります。人口は約6.4万人で、ラッピ県の経済活動を牽引する重要な都市です。

歴史

ロヴァニエミの歴史は古く、石器時代から人類の定住があったとされています。初期の住民はサーミ人であったと考えられており、紀元前750年～紀元前530年には焼畑農業が行われていた形跡が残っています。500年頃からは、東のカレリア、南のハメ、北の大西洋沿岸からの移住者があったことが、地域の人工遺物によって示されています。1453年には公の文章に初めて名前が記され、当時は農業、畜産業、漁業、狩猟を営む小さな村でした。

1800年代以降、ラップランド地方の金鉱山の開発が盛んになり、それに伴い人口が増加。ロヴァニエミはラップランドの中心都市として発展しました。しかし、1944年には、モスクワ休戦協定の結果、ラップランド戦争が勃発。ドイツ軍によって街の大部分が破壊されました。特にロヴァニエミ駅は弾薬を積んだ列車と共に爆発し、街は大きな被害を受けました。この戦争で、ロヴァニエミの建物の90%が破壊されるという壊滅的な打撃を受けました。

戦後の復興は1946年に始まり、多くの公共施設や私的建造物が、フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アールトによって設計されました。現在では、美しい建築物と自然が調和した都市として知られています。

文化と観光

ロヴァニエミには、1979年に創立されたラップランド大学があります。また、街の中心から8キロ北には、サンタクロースが住む「サンタクロース村」があり、世界中から多くの観光客が訪れます。このサンタクロース村へは、ロヴァニエミ市バス8番線でアクセス可能です。

また、ロヴァニエミには世界最北端のマクドナルド店舗があります。この店は、観光客に人気のスポットとなっています。

建築

ロヴァニエミには、アルヴァ・アールトが設計したロヴァニエミ市立図書館や、木こりのろうそく橋など、特徴的な建築物が多く存在します。これらの建物は、ロヴァニエミの文化的な景観を形成する上で重要な要素となっています。

スポーツ

ロヴァニエミを本拠地とするサッカークラブチームとして、RoPsが存在します。2020年シーズンには、ヴェイッカウスリーガ（1部相当）に所属していました。

姉妹都市と著名な出身者

ロヴァニエミは、いくつかの都市と姉妹都市提携を結んでいますが、詳細については公式ウェブサイトをご確認ください。

また、ロヴァニエミ出身の著名な人物として、以下のようなスポーツ選手やアーティストが挙げられます。

アンティ・アウティ：（1985年-）スノーボード選手
ハッリ・オッリ：（1985年-）スキージャンプ選手
タウノ・ケユヒケ：（1950年-）スキージャンプ選手
アンティ・トゥイスク：（1984年-）歌手
ユーコ・トルマネン：（1954年-）スキージャンプ選手
タピオ・ヌルメラ：（1975年-）ノルディック複合選手
アンティ・ヒュベリネン：（1932年-2000年）スキージャンプ選手
エンシオ・ヒッティア：（1938年-）ノルディック複合、スキージャンプ選手
マルッティ・フータラ：（1918年-2005年）ノルディック複合、クロスカントリースキー選手
ハンヌ・マンニネン：（1978年-）ノルディック複合選手
Mr.ローディ（Tomi Putaansuu）　-　（1974年-）ローディ (バンド)のヴォーカル
オッリ・ムオトカ：（1988年-）ノルディック複合、スキージャンプ選手
ピルヨ・ムラネン：（1981年-）クロスカントリースキー選手
カリ・ユリアンティラ：（1953年-）スキージャンプ選手、指導者、元日本代表コーチ
ユッカ・ユリプリ：（1963年-）ノルディック複合選手
トゥオモ・ユリプリ：（1965年-）スキージャンプ選手
* ライモ・ユリプリ：（1970年-）スキージャンプ選手

これらの人々は、ロヴァニエミの文化的な豊かさを物語る上で重要な存在です。

ロヴァニエミは、その歴史、文化、自然が融合した魅力的な都市であり、多くの人々を惹きつけています。

もう一度検索