九江市

九江市の概要

九江市は、中華人民共和国江西[[省]]の北部に位置する地級市です。長江（揚子江）沿岸に位置し、重要な港湾都市として発展してきました。市域の南部には、世界遺産にも登録されている名山・廬山がそびえ立っています。

地理

九江市は、北に長江を臨み、南には廬山がそびえる風光明媚な場所に位置しています。その地勢から、古来より交通の要衝として、また軍事上の重要拠点としても認識されてきました。市名の由来は、『書経・禹貢』にある「九江孔殷」という記述に由来し、長江がこの地で多くの川を集めて水勢を増す様子を表しています。湖北[[省]]、安徽省、江西[[省]]の三省が交わる地点であり、歴史的にも重要な場所でした。

歴史

九江市の歴史は非常に古く、春秋時代には呉と楚の国境地帯、戦国時代には楚に属していました。秦代には九江郡が設置され、前漢初期には一時的に淮南国が置かれましたが、すぐに九江郡に戻されました。その後、江州と呼ばれたり、九江郡になったりと変遷を重ね、元代には江西行省江州路が設置されました。明代初期には江西布政使司隷下の九江府となり、清代には江西[[省]]九江府となりました。清末には太平天国の支配下に入ることもありました。

1917年に九江市が成立しましたが、1936年には中国国民党政府によって九江県と改められました。1949年に中国共産党の支配下に入り、九江市人民政府が成立しました。文化大革命期を経て、1980年には省直轄市に昇格、1983年には市が県を管轄する区級市となりました。1998年には長江の洪水による大規模な水害に見舞われました。

行政区画

現在の九江市は、3つの市轄区、3つの県級市、7つの県を管轄しています。

市轄区:
潯陽区
濂渓区
柴桑区
県級市:
瑞昌市
共青城市
廬山市
県:
永修県
武寧県
修水県
都昌県
彭沢県
湖口県
徳安県

年表

九江市の変遷を年表形式でまとめます。

1949年10月1日: 中華人民共和国江西[[省]]九江専区が成立（1市7県）
1949年10月: 贛東北行政区鄱陽専区の都昌県、彭沢県、湖口県を編入（1市10県）
1950年4月18日: 九江市の一部が分離し、省直轄県級行政区の廬山管理局が発足（1市10県）
1953年7月21日: 廬山管理局が特別区に移行し、廬山特別区となる（1市10県）
1956年7月20日: 湖北[[省]]黄岡専区陽新県の一部が瑞昌県に編入（1市10県）
1960年9月30日: 九江県が九江市に編入（1市9県）
1962年10月20日: 九江市の一部が分離し、九江県が発足（1市10県）
1967年3月28日: 廬山管理局が九江市に編入（1市10県）
1969年10月: 永修県の一部が南昌市梅嶺管理区に編入（1市10県）
1970年10月7日: 九江専区が九江地区に改称（1市10県）
1977年1月24日: 九江市の一部が分離し、省直轄県級行政区の廬山管理局となる（1市10県）
1980年3月28日: 九江市が地級市の九江市に昇格（10県）
星子県・九江県の各一部が九江市廬山区に編入。
1981年5月27日: 永修県の一部が南昌市湾里区に編入（10県）
1983年7月27日: 九江県、彭沢県、湖口県、都昌県、星子県、永修県、徳安県、瑞昌県、武寧県、修水県が九江市に編入
1980年3月28日: 九江地区九江市が地級市の九江市に昇格。潯陽区・郊区が成立（3区）
廬山管理局を編入。
廬山管理局が区制施行し、廬山区となる。
九江地区星子県・九江県の各一部が廬山区に編入。
1983年7月27日: 九江地区九江県、彭沢県、湖口県、都昌県、星子県、永修県、徳安県、瑞昌県、武寧県、修水県を編入（3区10県）
1984年12月13日: 廬山区の一部が潯陽区に編入（3区10県）
1987年8月22日: 郊区が廬山区に編入（2区10県）
1989年12月20日: 瑞昌県が市制施行し、瑞昌市となる（2区1市9県）
1990年2月17日: 潯陽区の一部が廬山区に編入（2区1市9県）
2010年9月10日: 徳安県、永修県、星子県の各一部が合併し、共青城市が発足（2区2市9県）
2016年3月20日: 星子県および廬山区の一部が合併し、廬山市が発足。廬山区が濂渓区に改称（2区3市8県）
2017年7月18日: 九江県が区制施行し、柴桑区となる。(3区3市7県)

経済

2011年の九江市の国内総生産額は、前年比13.2%増の1256.41億人民元に達し、一人当たりの生産額は26,570元でした。市政府の財政収入は161.81億元でした。九江市は近年、工業都市として急速な発展を遂げています。

交通

九江市は、航空、鉄道、道路の交通網が整備されています。

航空: 九江廬山空港があります。
鉄道: 武九旅客専用線、昌九都市間鉄道、衢九線、京九線、武九線、銅九線が利用可能です。
道路: 大広高速道路、杭瑞高速道路、福銀高速道路、彭湖高速道路、永武高速道路などの高速道路や、G105国道、G316国道などの国道が整備されています。

教育

九江市には、九江学院などの高等教育機関があります。

対外関係

九江市は、1858年の天津条約で長江沿岸の対外通商港に指定され、1861年にはイギリス租界が形成されました。その後、日本の台湾銀行九江分行も設置されました。租界は1927年に返還されましたが、1992年には沿江対外開放都市に指定され、外国投資を集めて工業都市として発展しています。

友好都市として、オーストラリアのバウバウ郡、スロベニアのコペール市、日本の岡山県玉野市と提携しています。

健康・医療・衛生

九江市内には、九江市第三人民医院をはじめ、各県級市、県に人民医院が設置されています。

姉妹都市

九江市は、アメリカ合衆国のルイビル、フィンランドのカヤーニ、スロベニアのコペルと姉妹都市提携を結んでいます。

九江市は、その歴史的背景、地理的特徴、経済発展、そして国際的なつながりを通じて、中国における重要な都市の一つです。

もう一度検索