カラー・オブ・スプリング

『カラー・オブ・スプリング』（The Colour of Spring）は、イギリスの音楽グループ、トーク・トークが1986年に発表したサード・アルバムです。

概要

このアルバムは、トーク・トークにとって大きな転換期を示す作品となりました。それまでのシンセサイザーを主体としたシンセポップサウンドから一転、ピアノ、オルガン、サックスなどの生楽器を積極的に取り入れた、よりオーガニックで深みのあるサウンドへと進化を遂げました。この変化は、彼らの音楽性を新たな高みへと押し上げ、幅広い層のリスナーにアピールすることに成功しました。

商業的な成功も収め、オランダではチャート1位を獲得したのをはじめ、ヨーロッパ各国でチャートインを果たしました。特に、それまでセールス面で苦戦していた本国イギリスにおいては、バンド史上最高の8位を記録し、21週にわたってチャートに留まるという快挙を成し遂げました。このアルバムの成功は、トーク・トークが国際的な人気を獲得するきっかけとなりました。

音楽メディアからの評価も高く、ピッチフォーク・メディアは1980年代のベスト・アルバム・リストの83位に、スラント・マガジンは同リストの96位に本作を選出しています。これらの評価は、『カラー・オブ・スプリング』が単なるヒット作ではなく、時代を超えて愛されるべき音楽史に残る傑作であることを証明しています。

収録曲

1. ハッピネス・イズ・イージー - "Happiness Is Easy"
2. アイ・ドント・ビリーヴ・イン・ユー - "I Don't Believe in You"
3. 愛する人へ - "Life's What You Make It"
4. 4月5日 (春の息吹き) - "April 5th"
5. アナザー・ワールド - "Living in Another World"
6. ギヴ・イット・アップ - "Give It Up"
7. カメレオン・デイ - "Chameleon Day"
8. タイム・イッツ・タイム - "Time It's Time"

参加ミュージシャン

マーク・ホリス - ボーカル、オルガン、ギター、ピアノ、鍵盤ハーモニカ、メロトロン、ヴァリオフォン
ポール・ウェッブ - ベースギター、コーラス
リー・ハリス - ドラムス、パーカッション

その他、多数のミュージシャンが参加し、アルバムの豊かなサウンドを支えています。

ティム・フリーズ・グリーン - ピアノ、メロトロン、ヴァリオフォン、シンセサイザー
イアン・カーノウ - キーボード
マーティン・ディッチャム - パーカッション
マーク・フェルサム - ハーモニカ
アラン・ゴリー - ベース
ロビー・マッキントッシュ - ギター
モーリス・パート - パーカッション
フィル・レイス - パーカッション
デヴィッド・ローズ - ギター
デヴィッド・ローチ - サックス
ゲイナー・サドラー - ハープ
ダニー・トンプソン - コントラバス
スティーヴ・ウィンウッド - オルガン

『カラー・オブ・スプリング』は、トーク・トークの音楽的な冒険心と、卓越した演奏技術が結実した作品です。シンセポップの枠を超え、生楽器の温かみと深みを追求したサウンドは、聴く者を魅了し、新たな音楽体験へと誘います。音楽ファン必聴の名盤と言えるでしょう。

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