ダニー・トンプソン

ダニー・トンプソン：英国を代表するダブルベース奏者の軌跡

ダニー・トンプソン（Danny Thompson）は、1939年生まれのイングランドのダブルベース奏者です。彼は、リチャード・トンプソン、ジョン・マーティン、ケイト・ブッシュなど、数多くの著名なミュージシャンと共演し、その音楽キャリアは多岐にわたります。

生い立ちと音楽への目覚め

デヴォン州テインマスで生まれたトンプソンは、幼少期をロンドンで過ごしました。音楽好きだった彼は、ギター、マンドリン、トランペット、トロンボーンなど様々な楽器に触れた後、ダブルベースに出会います。当初はサッカーにも熱中し、チェルシーFCのジュニアチームに所属していたという意外な一面も持ち合わせています。

プロとしてのキャリア

1960年代には、アレクシス・コーナーが率いるブルースバンド「アレクシス・コーナーズ・ブルース・インコーポレイテッド」に約5年間在籍。その後、英国のフォークロックバンド、ペンタングルのオリジナル・メンバーとして活躍しました。1987年以降は、ソロアルバムも発表しています。

音楽スタイルと愛器「ビクトリア」

トンプソンの演奏スタイルはジャズの影響を受けており、即興演奏に特徴があります。彼の演奏は、唸るような弦の音と、大きな動作で弓を使うことで生み出される独特の音色が特徴です。1865年製のフランス製ベース「ビクトリア」を愛用しており、長年彼の音楽を支え続けています。

セッションミュージシャンとしての活躍

ソロ活動以外にも、セッションミュージシャンとして数多くのアルバムに参加しています。リチャード・トンプソンのアルバム『ミラー・ブルー』や、ケイト・ブッシュの『ドリーミング』など、彼の参加作品は多岐にわたります。

多彩な活動とエピソード

1980年代には、ドキュメンタリー映画の音楽を作曲するなど、活動の幅を広げました。また、ジョン・マーティンとの酒にまつわるエピソードなど、数々の逸話も残されています。

ディスコグラフィー（一部）

ソロ・アルバム

『ホワット・エヴァー』 - Whatever (1987年)
Whatever Next (1989年)
Elemental (1990年)
Whatever’s Best (1995年)

ペンタングル

『ペンタングル』 - The Pentangle (1968年)
『スウィート・チャイルド』 - Sweet Child (1968年)
『バスケット・オブ・ライト』 - Basket of Light (1969年)

参加アルバム

ケイト・ブッシュ - 『ドリーミング』 (1982年)
ニック・ドレイク - 『ファイヴ・リーヴス・レフト』 (1969年)
ロッド・スチュワート - 『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー』 (1971年)

ダニー・トンプソンは、その卓越した技術と音楽性で、長年にわたり音楽界に貢献してきました。彼の音楽は、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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