カリニコス・クレアンガ

カリニコス・クレアンガ（Kalinikos Kreanga, 1972年3月8日 - ）は、ギリシャを代表する卓球選手です。そのプレースタイルと波乱万丈な人生から、世界中の卓球ファンを魅了してきました。

ルーマニアのビストリツァで生まれ、幼少期から卓球を始めます。当時の名前はカリン・クレアンガ（Călin Creangă）でした。ジュニア時代からルーマニア代表として活躍しましたが、ニコラエ・チャウシェスク政権下での自由のない状況に、卓球を続ける困難さを感じ、16歳の時にヨーロッパユース卓球選手権大会の開催中にギリシャへ亡命を決意。この時、名前を「カリン」から「カリニコス」へと改めました。

1989年からはシニアの国際大会に出場し、世界のトップ選手として長きに渡り活躍しています。2003年の世界選手権パリ大会では、男子シングルスで3位に入賞する快挙を達成しました。

2008年の北京オリンピックでは、日本の水谷隼選手と3回戦で対戦し、4-1で勝利。その実力を見せつけました。2013年のヨーロッパ卓球選手権ではギリシャ代表としてドイツに敗れたものの、準優勝に輝いています。

プレースタイル

クレアンガ選手のプレースタイルの最大の特徴は、身長168cmという小柄な体格からは想像もできない、フルスイングによる豪快な両ハンド攻撃です。その強烈なインパクトから、「小さなヘラクレス」という愛称で親しまれています。

あまりに強いインパクトのため、使用しているラバーの表面がボールとの摩擦で裂けてしまうほどです。また、独特かつ巧妙なサービスのフォームも彼の武器の一つです。

普段は中陣に下がって両ハンドを主体とするプレースタイルですが、前陣でのブロックも非常に巧みです。

主な戦績

1988年 ヨーロッパ選手権パリ大会 混合ダブルス ベスト4（オティリア・バデスクと）
1991年 第41回世界選手権千葉大会 混合ダブルス3位
1992年 男子ワールドカップ（ホーチミン） 4位
1992年 ヨーロッパ選手権シュトゥットガルト大会 混合ダブルス優勝（オティリア・バデスクと）
1994年 ヨーロッパ選手権バーミンガム大会 男子ダブルス優勝（ゾラン・カリニッチと）、混合ダブルス準優勝（オティリア・バデスクと）
1996年 ヨーロッパ選手権ブラチスラヴァ大会 男子ダブルス ベスト4（ゾラン・カリニッチと）、混合ダブルス準優勝（オティリア・バデスクと）
1998年 ヨーロッパ選手権アイントホーフェン大会 男子ダブルス準優勝（イリヤ・ルプレスクと）
1999年 ヨーロッパトップ12 ベスト4
2000年 ヨーロッパ選手権ブレーメン大会 男子ダブルス準優勝（イリヤ・ルプレスクと）
2002年 ITTFプロツアー・グランドファイナル（ストックホルム） 男子シングルス準優勝
2002年 ヨーロッパ選手権ザグレブ大会 男子シングルス準優勝
2003年 第47回世界選手権パリ大会 男子シングルス3位
2003年 男子ワールドカップ（江陰） 準優勝
2004年 男子ワールドカップ（杭州） 準優勝
2005年 ヨーロッパ選手権オーフス大会 男子シングルス ベスト4、男子ダブルス準優勝（ブラディミル・サムソノフと）
2007年 ヨーロッパトップ12 準優勝
2008年 男子ワールドカップ（リエージュ） 4位
2009年 ヨーロッパトップ12 ベスト4
2010年 ヨーロッパトップ12 ベスト4
2011年 ヨーロッパトップ12 優勝

カリニコス・クレアンガ選手は、その圧倒的な攻撃力と、困難を乗り越えてきた不屈の精神で、これからも世界中の卓球ファンに感動を与え続けるでしょう。

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