カリヌィーク連隊は、
17世紀半ばから
18世紀にかけて、
右岸ウクライナに位置した
コサックの連隊の一つであり、
コサック国家における軍事・行政単位としての役割を担っていました。この連隊は、カリヌィーク連隊区とも呼ばれ、その連隊庁所在地は時代によってカリヌィーク町(
1648年-
1653年、
1667年-
1678年、
1704年-
1708年)と
ヴィーンヌィツャ町(
1653年-
1667年)に置かれました。連隊名はこの二つの町、カリヌィークと
ヴィーンヌィツャに由来します。
1653年以降、この連隊は
ヴィーンヌィツャ連隊(
ウクライナ語:Вінницький полк)と呼ばれるようになります。連隊は19の百人隊を含み、その規模は比較的大規模であったことがうかがえます。しかし、
1667年に
ロシア・ツァーリ国と
ポーランド・リトアニア共和国によって
コサック国家が分割されるという事態が発生し、その影響を受けて
1678年にはブラーツラウ連隊と合併されることとなりました。
その後、
1704年に
イヴァン・マゼーパによって再編成が行われ、一時的に復活を遂げますが、
1708年には最終的に廃止されるという運命をたどりました。この連隊の歴史は、
コサック国家の動乱と変遷を反映しており、その盛衰は当時の政治情勢と深く関わっています。
連隊長としては、イヴァン・ボフーンが
1650年、
1651年、そして
1653年から
1657年まで務めていました。彼のリーダーシップの下、連隊は様々な戦いを経験し、その名を歴史に刻みました。
参考文献
伊東孝之, 井内敏夫, 中井和夫編 『ポーランド・ウクライナ・バルト史』 (世界各国史; 20)-東京: 山川出版社, 1998年. ISBN 9784634415003
黒川祐次著 『物語ウクライナの歴史 : ヨーロッパ最後の大国』 (中公新書; 1655)-東京 : 中央公論新社, 2002年. ISBN 4121016556
Заруба В.М. Адміністративно-територіальний устрій та адміністрація Війська Запорозького у 1648-1782 рр. – Дніпропетровськ, 2007.
Горобець В. Історія українського козацтва: нариси у 2 т. – Київ: Києво-Могилянська академія, 2006, Т.1. – Полково-сотенний устрій Гетьманату.
Gajecky, George. The Cossack Administration of the Hetmanate. 2 vols. Cambridge, Mass., 1978.
外部リンク
カリヌィーク連隊 // ウクライナ百科事典