カルタヘナ (スペイン)

カルタヘナの概要

カルタヘナ（Cartagena）は、スペインのムルシア州に位置する港湾都市で、地中海に面しています。この町は、歴史的には軍港としても知られ、現在もスペイン海軍の重要な拠点となっています。カルタヘナの過去には、古代フェニキア人の都市としての栄華や、ローマ帝国による支配、さらにはイスラム時代の復興が含まれています。近くには、ムルシア（約40キロ北西）やアリカンテ（約90キロ北東）といった都市があります。

歴史

カルタヘナの歴史は古く、紀元前227年ごろに、カルタゴの将軍ハスドルバルによって「カルト・ハダシュト（新しい都市）」として設立されました。フェニキア人がイベリア半島に定住を開始したのは紀元前8世紀で、5世紀ごろにはイベリア人の一部族によって「マスティア」という町が築かれました。カルタヘナは、この地区のフェニキア人の中心都市となり、第二次ポエニ戦争ではハンニバルがこの地からイタリアに進軍しました。紀元前209年、ローマの将軍スキピオに征服され、以降は「カルタゴ・ノウァ（新しいカルタゴ）」としてローマ帝国の支配下に置かれました。

ローマ時代には、ヒスパニア（現在のスペイン）における重要な都市の一つとされ、多くの交易が行われました。その後、西ローマ帝国の崩壊を経て、ゴート人の王国が形成されると、カルタヘナは衰退しました。しかし、イスラムの支配下で町は再興し、1245年にはカスティーリャ王国に征服され、司教座が設置されましたが、その後ムルシアに移されました。1296年にアラゴン王国が支配権を握りましたが、1305年にカスティーリャに戻りました。

18世紀には、海軍の本拠地として軍事施設が整備され、町は再び発展を見せました。1868年には連邦主義者が蜂起しますが、その後鎮圧されました。20世紀のスペイン内戦では、カルタヘナは共和国軍の唯一の海軍基地となり、内戦の最終局面で1940年にフランコ軍によって陥落しました。現在、カルタヘナはムルシア自治州に属し、州議会もこの町に設置されています。

名所

カルタヘナには多くの観光名所があります。最も有名なものの一つは、1987年に発見されたローマ劇場です。これは紀元前1世紀に建設された遺跡で、発掘された品々は市立考古学博物館で見ることができます。また、国立海事考古学博物館では、海中から発見された古代の資料が展示されています。さらに海軍博物館では、潜水艦の開発者イサーク・ペラルの展示が行われています。

近隣の観光地としては、潟湖のマール・メノールやリゾート地のラ・マンガなどがあります。

スポーツ

カルタヘナには、サッカークラブFCカルタヘナがあります。このクラブは地域密着のスポーツ機関として、市民から支持を受けています。

姉妹都市

カルタヘナはコロンビアのカルタヘナと姉妹都市の関係を築いています。

このような歴史的背景と観光資源を持つカルタヘナは、地域の文化と経済に貢献し続けています。地中海沿岸の美しい風景と歴史的な遺産は、多くの観光客を引きつける要素となっています。

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