カルトン

カルトンは、主に店舗や金融機関において、顧客との金銭のやり取りを円滑にするために使用される小型の皿、盆、またはトレイの総称です。

概要

その語源はフランス語の「carton」（紙製の器）に由来します。日本では昭和初期に導入され、銀行や商店などで広く使われるようになりました。当初は紙製であったものが、時代とともに様々な材質へと変化しています。

カルトンは、顧客が支払いをする際、あるいは店員が釣銭を渡す際に、現金を直接手渡しするのではなく、このトレイの上でやり取りするために使われます。これにより、直接的な接触を避けることができ、衛生的であると同時に、現金の取り扱いをスムーズに行うことができます。

材質

カルトンの材質は、使用場所や価格帯によって多岐にわたります。安価なものでは合成樹脂や合成皮革が用いられることが多く、比較的手軽に入手できます。一方で、やや高価なものになると、金属製（ステンレスや真鍮など）や天然皮革製のものがあり、耐久性や高級感を求める店舗で好まれます。金属製のカルトンは、重厚感があり、安定性が高いのが特徴です。天然皮革製のものは、手触りが良く、温かみのある印象を与えます。

別名

カルトンは、その用途や形状によって様々な別名で呼ばれることがあります。主なものとしては、「金盆（きんぼん）」、「キャッシュトレイ」、「コイントレイ」（英語ではcoin tray）、「釣り銭トレイ」などがあります。これらの名称は、その使用目的や形状をより具体的に表しています。

また、カルトンとほぼ同様の機能を持つものとして「会計盆」と呼ばれる木製の容器もあります。会計盆は、主に和風の店舗で使用されることが多く、木材の持つ温かみや質感が特徴的です。

その他

カルトンは、単なる金銭のやり取りの道具としてだけでなく、店舗の雰囲気を演出するアイテムとしても活用されています。デザイン性に優れたカルトンを使用することで、店舗全体のイメージアップにも繋がります。また、企業ロゴや店舗名を印刷することで、宣伝効果を高めることも可能です。

カルトンは、顧客と店舗との間で行われる金銭のやり取りをスムーズかつ衛生的に行うために不可欠なアイテムであり、その存在は、店舗運営において重要な役割を担っています。

関連項目

トレイ
釣り銭
* ウィキメディア・コモンズには、カルトンに関するカテゴリがあります

もう一度検索