カルロ・ルスティケッリ

カルロ・ルスティケッリ：イタリア映画音楽史に名を刻んだ巨匠

カルロ・ルスティケッリ (1916年12月24日-2004年11月13日) は、20世紀イタリア映画界を代表する映画音楽作曲家の一人です。50年以上にわたるキャリアの中で、250本以上の映画音楽を手掛け、その豊かな音楽性は数々の名作を彩りました。

モデナ県カルピに生まれたルスティケッリは、ボローニャとローマの音楽学校で研鑽を積み、ピアノと作曲の技術を磨きます。当初はオペラや劇場音楽の作曲家として活動を始め、指揮者としての経験も積みました。映画音楽との最初の出会いは1939年ですが、当初は映画音楽に専念するつもりはなかったようです。

転機が訪れたのは、監督ピエトロ・ジェルミとの出会いでした。1949年の『無法者の掟』や1950年の『越境者』で協働したことがきっかけとなり、ジェルミの熱意に感銘を受けたルスティケッリは本格的に映画音楽の道へと進むことを決意します。

ジェルミ監督とのコラボレーションはその後も続き、『鉄道員』(1956年)、『わらの男』(1958年)、『刑事』(1959年)、『イタリア式離婚狂想曲』(1962年)、『誘惑されて棄てられて』(1963年)、『アルフレード　アルフレード』(1972年)など、多くの名作に忘れられない旋律を提供しました。

ルスティケッリの作品の中でも特に有名なのは、『刑事』のテーマ曲「死ぬほど愛して」(別名「アモーレ・ミオ」)です。この曲は、ジェルミ監督が作詞し、ルスティケッリの娘である女優のアリダ・ケッリが歌ったことで、レコードでも大ヒットを記録しました。また、『ブーベの恋人』(1963年、ルイジ・コメンチーニ監督)のテーマ曲も高い人気を博しました。

ルスティケッリはイタリア映画のみならず、アメリカ映画にも参加しています。『脱走大作戦』(1968年、ジャック・スマイト監督)、『お熱い夜をあなたに』(1972年、ビリー・ワイルダー監督)など、ハリウッド作品にも名を連ねましたが、これらの作品はイタリアでロケが行われたものです。

彼の音楽は、イタリアの情景やドラマを鮮やかに描き出し、時に繊細に、時に力強く、物語に深みを与えました。数多くの作品に携わったルスティケッリは、イタリア映画音楽史に欠かせない存在であり、彼の作品は今も世界中の映画ファンを魅了し続けています。

主な作品一覧

以下に、ルスティケッリが作曲を手掛けた主な作品を列挙します。このリストは全てを網羅したものではありませんが、彼のキャリアの広さと多様性を示すものです。

越境者 (1950年)
白い国境線 (1950年)
街は自衞する (1951年)
鉄道員 (1956年)
わらの男 (1958年)
刑事 (1959年)
白い道 (1959年)
サビーヌの掠奪 (1960年)
ゼロ地帯 (1960年)
ハンニバル (1960年)
バグダッドの盗賊 (1961年)
ローマの恋 (1961年)
イタリア式離婚狂想曲 (1962年)
マンマ・ローマ (1962年)
禁じられた恋の島 (1962年)
祖国は誰のものぞ (1962年)
ブーベの恋人 (1963年)
白い肌に狂う鞭 (1963年)
モデル連続殺人! (1963年)
明日に生きる (1963年)
誘惑されて棄てられて (1963年)
アトランタイド (1964年)
愛してご免なさい (1964年)
モナリザの恋人 (1965年)
蜜がいっぱい (1966年)
ヨーロッパ式クライマックス (1967年)
真昼の一匹狼 (1967年)
夕陽の墓場 (1967年)
裏切りの荒野 (1967年)
砂漠の戦場エル・アラメン (1968年)
脱走大作戦 (1968年)
スタントマン (1968年)
荒野の三悪党 (1969年)
欲情の島 (1969年)
愛すれど哀しく (1971年)
呪いの館 (1971年)
アルフレード　アルフレード (1972年)
お熱い夜をあなたに (1972年)
野性の叫び (1972年)
ミラノの恋人 (1975年)
プレステージ (1976年)
限りなく愛に燃えて (1976年)
* 友よ静かに死ね (1976年)

もう一度検索