カロデンの戦い

カロデンの戦いについて

カロデンの戦い（Battle of Culloden）は、1746年4月16日にスコットランドのハイランド地方、インヴァネス近郊のカロデン湿原で行われた重要な戦闘です。この戦いは、ジャコバイト軍とグレートブリテン王国（イギリス）軍との間で繰り広げられ、結果としてジャコバイト側が完敗し、彼らの抗争運動は大きな打撃を受けました。日本では「カロデン・ムアの戦い」や「カロドンの戦い」としても知られています。

背景

1745年、チャールズ・エドワード・ステュアート（若僭王）は、フランスからの支援を受けてスコットランドに上陸しました。彼はハイランドの氏族やカトリック教徒を集め、イギリス王位を奪取しようとします。ジャコバイト軍はエディンバラを占領し、政府軍に対し連続的に勝利を収めました。特に11月には、軍をイングランドに侵攻させ、カーライルやマンチェスターまで進出しました。

しかし、イングランドでの国民の支持は得られず、政府軍の反撃に直面したジャコバイト軍は、やむを得ず北方に撤退し、再度ハイランドにて態勢を整えました。政府軍は、質と数ともに優位で、再編成された部隊がエジンバラを奪還し、北進していました。

戦闘経過

1746年4月14日、カンバーランド公率いる政府軍はアバディーンを出撃し、ジャコバイト軍はインヴァネス近くのカロデン湿原に布陣しました。この土地は地形的に騎兵や大砲の使用に適しており、ジャコバイト軍にとって不利な状況でした。チャールズはゲリラ戦を進言されるも、正面からの戦闘を選択しました。

4月15日、ジャコバイト軍は夜襲を試みるものの、物資不足に苦しむ部隊は行動に移れず、次の日の朝を迎えました。4月16日、激しい豪雨がジャコバイト軍に不利働きかけ、政府軍の攻撃が開始されました。ジャコバイト軍は瞬く間に崩れ、チャールズの指揮に対する不満が高まり、士族たちは早々に彼を見放しました。

最終的に、政府軍は圧倒的な勝利を収めました。チャールズは辛うじて戦場を逃れましたが、以降は女装してまでも生き延びなければならず、彼の人気は急落しました。

戦闘後の影響

戦闘後、カンバーランド公はジャコバイト軍の負傷兵や捕虜を容赦なく斬首しました。捕らえられた3470人のジャコバイトのうち、多くは処刑または流刑され、厳しい処罰が行われました。これ以降、政府は反乱の再発を阻止するため、キルトやタータンの禁止、氏族制度の解体を決定し、ハイランド地方に強力な政府軍を駐留させるようになります。このような強硬措置は、スコットランド人にとって深い屈辱を伴ったものでした。

結論

カロデンの戦いは、スコットランドの歴史において重要な転機となりました。この戦闘によって、ジャコバイト運動は壊滅的な打撃を受け、その後のスコットランドにおけるイギリス政府の政策に大きな影響を及ぼしました。この出来事は、現代のスコットランドのアイデンティティとも密接に関連し、今なお多くの議論が交わされています。

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