カワヅザクラ

カワヅザクラ（河津桜）

カワヅザクラ（河津桜、学名：Cerasus × kanzakura ‘Kawazu-zakura’）は、バラ科サクラ属のサクラであり、日本原産の栽培品種です。オオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑によって生まれたと考えられています。

特徴

カワヅザクラは、以下の特徴を持ちます。

樹高と樹形: 亜高木で、樹形は傘状になります。
花: 一重咲きで、直径4cmから5cmの大輪の花を咲かせます。花弁の色は紫紅色です。
開花時期: 東京では通常2月から3月上旬に開花しますが、早い年には12月に咲くこともあります。原木のある静岡県河津町では2月頃に開花し、花期が1ヶ月と長いのが特徴です。

カワヅザクラは、オオシマザクラ由来の大輪の花と、カンヒザクラ由来の紫紅色の花弁、そして早咲きという両方の特徴を受け継いでいます。通常、本州の野生種サクラは寒い時期に咲かない仕組みを持っていますが、カワヅザクラはカンヒザクラとの交雑によって花期が早まったと考えられています。早咲きは野生では不利な特性ですが、栽培品種としては珍重され、接ぎ木などで増殖されています。

由来

カワヅザクラは、1955年に静岡県賀茂郡河津町田中の飯田勝美氏が河津川沿いで発見した原木が起源です。飯田氏が庭先に植えた後、1966年から開花し始めました。当初は飯田家の屋号から「小峰桜」と呼ばれていましたが、その後の学術調査で雑種起源の栽培品種であることが判明し、1974年に「カワヅザクラ（河津桜）」と命名されました。1975年には河津町の木に指定されています。現在も原木は河津町に存在し、2007年時点で樹齢50〜60年と推定されています。1968年頃から増殖が始まり、河津町の木に指定された後、町民有志らによって河津川河口から町内全域に植栽が広がりました。

イベント

カワヅザクラの名前の由来となった河津町では、1991年から毎年2月10日前後から3月10日前後にかけて「河津桜まつり」が開催されます。河津駅近辺の河口から河津川沿いに約3kmにわたって「河津桜並木」が続き、多くの観光客で賑わいます。夜にはライトアップも行われ、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。

また、寒波などの影響で開花が遅れた年には、河津桜まつり閉幕後もカワヅザクラが楽しめることがあります。そのような年には、河津町観光協会の判断により、特別イベントとして「かわづ春うららまつり」が1週間実施されることもあります（2012年・2013年に実施）。

自治体の木

カワヅザクラは、以下の自治体で木の指定を受けています。

静岡県賀茂郡河津町
静岡県賀茂郡東伊豆町

関連項目

サクラ
河津町
公益財団法人日本花の会

外部リンク

河津町役場
河津町ライブカメラ
* 河津町観光協会 河津桜まつり

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