日本花の会

公益財団法人日本花の会について

公益財団法人日本花の会は、1962年に小松製作所社長の河合良成氏の提唱により設立された団体で、花と緑の名所づくりを主な活動としています。2009年には公益財団法人に移行し、東京都港区のコマツビルに事務局を置いています。

桜の名所づくりへの貢献

日本花の会は、特に桜の名所づくりに力を入れており、その活動は日本国内に留まらず海外にも及んでいます。これまでに240万本もの桜の苗木を国内外に配布し、名所づくりに関する調査、計画策定、技術指導、住民活動支援などを積極的に行っています。

国内外の主な桜の名所

日本花の会が創設や植樹に関わった桜の名所は数多く、その代表的なものとして、国内では山梨県富士吉田市の新倉山浅間公園、秋田県井川町の日本国花苑、群馬県渋川市の伊香保グリーン牧場、栃木県小山市の思川緑地、東京都千代田区の北の丸公園と皇居馬場先門、新宿区の明治神宮外苑、長野県飯田市の天竜峡桜街道、兵庫県神河町のかんざき桜の山桜華園などがあります。

海外では、ドイツのベルリンの壁跡に3,000本、ハンブルク市に5,000本、フランスのヴェルサイユ市に5,000本、イギリスのキューガーデンに53本の桜の苗木を寄贈し、桜の名所づくりの技術指導を行いました。これらの桜には、カンザン、フゲンゾウ、ウコン、ベニユタカなどの多様な品種が含まれています。

桜の保全と再生

また、日本花の会には樹木医の資格を持つ研究員が所属しており、各地の桜の名所の保全・再生事業にも取り組んでいます。埼玉県幸手市の権現堂堤、東京都台東区の上野恩賜公園、山梨県富士吉田市の新倉山浅間公園などの保全・再生を手掛けたほか、山高神代桜や長野県富士見町の高森観音堂のシダレザクラといった古木の樹勢回復事業も行っています。

推奨品種と品種開発

日本花の会は、桜の名所づくりに適した品種として、樹勢が強健で観賞価値の高い複数の品種を推奨しています。2024年には、エドヒガン（向野）、タイリョウザクラ、ジンダイアケボノ、マイヒメ、ハナカガミ、イチヨウ、コウカ、カンザンの8品種を推奨しており、カミヤマシダレザクラも量産していく方針です。

ソメイヨシノは、てんぐ巣病に弱いという問題があるため、2005年からは、ソメイヨシノの植え替えには、てんぐ巣病に強くソメイヨシノに似た花を咲かせるジンダイアケボノとコマツオトメへの植え替えを推奨しています。

さらに、品種の多様性を維持するため、2013年より桜の園芸品種認定制度を開始し、新たな品種を認定しています。これまでにホウライザクラやオモイデザクラなど16品種が認定されており、日本花の会自身もマイヒメとハナカガミを育成しています。新品種を認定することで、その桜が発見・作出された地域での桜の名所づくりを促進し、地域活性化に貢献することを目指しています。

結城農場・桜見本園

茨城県結城市には、83,000平方メートルの広さを誇る結城農場・桜見本園があり、国内外から集められた401種1000本の桜が植栽されています。ここでは、品種の特性調査や優良個体の選抜・育成などが行われています。

見本園は、平日の午前10時から午後3時まで、団体以外は事前連絡なしで無料で見学できます。多種多様な桜の開花時期に合わせて花を楽しむことができます。特に、ソメイヨシノより遅く咲く八重桜の園芸品種が多く植えられており、4月第2・第3週には一般公開期間として土日も見学が可能となり、桜の鑑賞に専念できる環境が提供されます。

所在地

• - 事務局: 東京都港区赤坂二丁目3番6号 コマツビル
• - 結城農場さくら見本園: 茨城県結城市田間2217

外部リンク

• - 公式ウェブサイト

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