カワミドリ属

カワミドリ属（Agastache）

カワミドリ属（学名：Agastache）は、シソ科に属する植物の一群です。アニスヒソップ、ジャイアントヒソップ、アガスターシェといった名前で広く流通しており、その美しい花姿から観賞用として栽培されています。名前が似ているヒソップと混同されることがありますが、ヒソップはヤナギハッカ属に属し、カワミドリ属とは異なる植物です。

特徴

カワミドリ属の植物は、一般的に以下のような特徴を持ちます。

多年草: 茎が直立して育つ多年草です。
葉: 対生する葉は、縁に鋸歯があります。
花: 茎の先に花穂をつけ、多数の花を咲かせます。
萼: 筒状の萼は15脈があり、先端が5つに裂けており、上側の裂片が長くなっています。
花冠: 花の色は青色から紅紫色で、唇形をしています。上唇は直立して2裂し、凹んだ形をしています。下唇は3裂し、中央の裂片が幅広くなっています。
雄蕊: 4本の雄蕊が花の外に長く突き出ます。
果実: 果実は4つの分果に分かれ、卵形で表面は滑らかです。

分布

カワミドリ属の植物は、東アジアに1種、その他は北アメリカ大陸に分布しています。多様な種がそれぞれの地域に適応して生育しています。

主な種

日本に分布する種

カワミドリ (Agastache rugosa):
多年草で、茎が直立します。
茎は四角形で、高さは40-100cm程度になります。
花は紅紫色をしています。
北海道、本州、四国、九州に分布し、朝鮮半島、中国大陸、シベリア東部にも見られます。
「霍香（カッコウ）」という名前で漢方薬としても利用されています。

その他の種

Agastache aurantiaca: メキシコに分布
Agastache breviflora: アリゾナ州からテキサス州、メキシコに分布
Agastache cana: ニューメキシコ州南部、テキサス州西部に分布
Agastache coccinea: メキシコに分布
Agastache cusickii: アメリカ合衆国西中央部に分布
Agastache eplingiana: メキシコに分布
Agastache foeniculum: カナダ、アメリカ合衆国北部に分布
Agastache mearnsii: メキシコに分布
Agastache Mexicana: メキシコに分布
Agastache micrantha: アリゾナ州からテキサス州、メキシコに分布
Agastache nepetoides: カナダ東部からアメリカ合衆国中央部・東部に分布
Agastache occidentalis: アメリカ合衆国北西部に分布
Agastache pallida: アリゾナ州南部、メキシコ北部に分布
Agastache pallidiflora: コロラド州からメキシコ北東部に分布
Agastache palmeri: メキシコ北東部・中央部に分布
Agastache parvifolia: カリフォルニア州北部に分布
Agastache pringlei: アメリカ合衆国南部、メキシコ北東部に分布
Agastache rupestris: アリゾナ州、ニューメキシコ州に分布
Agastache scrophulariifolia: カナダ東部、アメリカ合衆国中央北部・東部に分布
Agastache urticifolia: カナダ南西部からアメリカ合衆国西部に分布
Agastache wrightii: ニューメキシコ州、アリゾナ州、メキシコに分布

参考文献

佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本III 合弁花類』、1981年、平凡社
米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）
Agastache J.Clayton ex Gronov. Tropicos
Agastache The Plant List

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