カンナビジオール

カンナビジオール（CBD）とは

カンナビジオール、略してCBDは、大麻に含まれる113種類以上のカンナビノイドの一つです。特にフィトカンナビノイドとして重要で、麻の抽出物の中で最大40%を占めることがあります。CBDは、2018年にアメリカで医薬品として承認され、続いて欧州でも同様に承認されました。日本でも2024年に希少疾病用医薬品としての指定が見込まれ、国内においては初めての大麻由来医薬品となります。

医療におけるCBDの利用

CBDは多くの研究において、安全性が高く、依存のリスクもないことから医療分野での応用が期待されています。具体的には、難治性てんかんの治療薬としてエピディオレックスが知られ、アメリカでFDAの承認を受けました。この薬は特にドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群など、治療の難しい病に対して使用されています。

また、ナビキシモルスという薬もあり、これはCBDとテトラヒドロカンナビノール（THC）がほぼ同比率で配合されたスプレーで、多発性硬化症に伴う疼痛を緩和するために使われています。

研究結果と副作用

様々な研究から、CBDは多くの場面で副作用が少ないと報告されています。たとえば、2018年の世界保健機関（WHO）による調査では、CBDに乱用や依存リスクがないことが確認されました。一般に、1日の摂取量が1500mgまでであれば、安全に使用できるとされています。ただし、時折倦怠感や下痢、食欲の変化が見られることがあります。特にエピディオレックスでは、眠気や睡眠の質の低下が報告されています。

CBDの薬理作用

CBDはカンナビノイド受容体であるCB1やCB2に対して低い親和性を持ちつつ、間接的にその作用を調整します。これにより、THCの精神作用を減少させる可能性があります。CBDはまた、神経保護作用や抗不安、抗うつ作用を持つと考えられており、特に5-HT1A受容体に働きかけることが指摘されています。

社会的な位置付けと法制

CBDは向精神薬としての規制が適用されず、健康食品や化粧品成分として広く流通しています。日本では、大麻草からの抽出が法的に許可されているため、種子や茎からのCBD製品が市場に出回っています。一方、法律は各国で異なり、アメリカや欧州ではCBDを含む製品への需要が高まってきています。

特に、近年ではCBDが多く含まれる品種の栽培や、さまざまな製品（オイル、バーム、キャンディーなど）の開発が進んでいます。アスリートの中では、鎮痛効果を期待してCBDを利用する者も見られ、禁忌のTHCを含まない製品が選ばれています。

最後に

CBDは健康への可能性を秘めた成分であり、その利用は今後ますます多様化することが予想されます。ただし、使用にあたっては、その効果や法律に関する理解を深めていく必要があります。各国での規制や研究が進む中、CBDは医療、健康、さらには美容分野において新たな選択肢として注目されています。

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