カンパニア (護衛空母)

カンパニア（HMS Campania, D48）

カンパニアは、イギリス海軍で活躍した護衛空母であり、その艦歴は多岐にわたります。もともとは冷凍貨物船として建造されましたが、最終的には護衛空母としての役割を果たしました。その特異な経歴は、艦が持つ大きな船体によって広い格納庫を確保できた点にあります。これにより、艦載機を多く収納できることが可能となり、新装備も搭載されていました。

艦歴のはじまり

カンパニアは1941年8月12日にベルファストのハーランド・アンド・ウルフ社で起工されました。ニュージーランドから羊肉を運ぶために設計されていましたが、海軍に転用され、1944年前半に護衛空母として正式に竣工しました。就役後は大西洋及び北極海において船団護衛や対潜哨戒任務に従事し、1944年12月には北極海でドイツの潜水艦U-365を撃沈する功績を上げました。

戦後の活用

終戦を迎えた後、カンパニアは他の艦艇と異なり、早期に廃棄されたり売却されたりすることはありませんでした。短期間ですが航空機輸送艦としても使用された後、1945年12月に予備役に入りました。

1951年に行われたフェスティバル・オブ・ブリテンでは、カンパニアが移動展示艦として利用されました。このイベントでは、艦船が全国各地の港を巡り、ロンドンの主展示場や地方催事を支える役割を果たしました。艦は白く再塗装され、展示品はイギリスの地理、発見、人々をテーマにした3つのセクションに分かれました。1951年にはサウサンプトンやグラスゴーなど多くの港に寄港し、各地で10日から14日間滞在しました。

ハリケーン作戦

フェスティバル終了後、カンパニアはバーケンヘッドで改修され、イギリス初の核実験「ハリケーン作戦」の司令艦として再出発しました。改修の際、研究室やオフィス、海水淡水化装置が搭載され、モンテベロ諸島での実験に必要な真水を確保しました。1952年には多くの装備を積み込み、ポーツマスから出航しました。この実験には、多くの科学者が参加し、1960年代のイギリス核開発の根幹を支える重要な役割を果たしました。

艦はジブラルタルやモーリシャスを経由し、モンテベロ諸島に到着すると、2ヶ月間の準備期間を経て、ついに核実験が実施されました。その後、1952年12月には退役し、1955年にスクラップとして売却される運命を辿りました。

まとめ

カンパニアの歴史は多くの側面を持ち、護衛空母としての功績から戦後の展示艦、さらには核実験への参加など、さまざまな役割を果たしました。その艦体は当時の海軍技術の進化を具現化したものでもあり、今なお人々に記憶され続けています。

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