カンパリグループ

カンパリグループ：イタリアを代表する酒造メーカーの歩み

1860年、ガスパーレ・カンパリがミラノでバーを開業したことに始まるカンパリグループは、現在では世界的に知られる酒造メーカーへと成長を遂げました。イタリア・ミラノ近郊に拠点を置きながら、オランダに法人登記を行う同社（正式社名：ダヴィデ・カンパリ・ミラノ）は、リキュール、ワイン、ノンアルコール飲料など、多様なアルコール飲料ブランドを傘下に収めています。イタリア証券取引所にも上場しており、グローバルな事業展開を続ける企業として注目を集めています。

創業から世界的なブランドへ

創業当初は小さなバーでしたが、1867年にはミラノのヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアに移転、1904年にはセスト・サン・ジョヴァンニに自社工場を開設するなど、着実に事業を拡大していきました。ガスパーレの次男であるダヴィデ・カンパリは、スタイリッシュな店舗をオープンさせ、アーティストやオペラスターを招くことで、ブランドイメージの向上に大きく貢献しました。1932年には、フォルトゥナート・デペーロのデザインによるボトルが特徴的なカンパリ・ソーダを発売、大ヒット商品となり、カンパリグループの成長を加速させました。ダヴィデの没後、社名は「Davide Campari-Milano S.p.A」となり、1960年代には売上を大きく伸ばし、世界各国へ進出を果たしました。

買収戦略とグローバル化

1990年代以降、世界的な酒造メーカーの統合が進む中、カンパリグループも買収戦略に乗り出します。1995年からは積極的な買収を進め、チナールなどのブランドを傘下に加え、1998年にはアメリカのウオッカブランドであるスカイウォッカの買収にも着手しました。2001年には株式を上場し、公開企業となりました。その後も買収は続き、2009年にはペルノ・リカールからワイルドターキーを買収、2024年5月にはサントリーグローバルスピリッツからクルボアジェを買収するなど、積極的にブランドポートフォリオを拡大しています。現在、アペロール、カンパリ、ワイルドターキーの3ブランドで売上の約4割を占めており、地域別では南北アメリカが4割以上の売上高を誇ります。

日本における展開

日本においては、2008年にカンパリグループの完全子会社としてCAMPARI JAPAN株式会社（初代）が設立されました。2020年1月には、日伊合弁企業のCT Spirits Japan株式会社へと商号変更されましたが、2024年4月には再びカンパリグループの完全子会社となり、CAMPARI JAPAN株式会社（2代）として再出発しました。同時に、本社を渋谷区神宮前より移転しています。

日本市場においては、カンパリ、アペロール、チンザノ、ワイルドターキー、グレングラントなど、多様なブランドを取り扱っています。これらのブランドは、日本のバーやレストラン、そして一般消費者にも広く親しまれています。

まとめ

カンパリグループは、創業から現在に至るまで、常に革新と成長を続け、世界的な酒造メーカーとしての地位を確立してきました。創業者の情熱と、時代に合わせて変化を続ける企業戦略が、その成功の鍵と言えるでしょう。これからも、新たなブランドの買収や、既存ブランドの更なる発展を通して、世界中の消費者に高品質な飲料を提供し続けることが期待されます。

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