カンブリア紀第十期

カンブリア紀第十期の概要

カンブリア紀第十期はこの時代の最終段階として位置づけられ、約4億8950万年前から4億8540万年前に相当します。この時期の地層はステージ10と呼ばれ、前段階であるカンブリア紀の中期ジャンシャニアンを経て、次なるオルドビス紀の前期トレマドキアンへと続きます。

下部と上部の境界

この期の下部の境界には三葉虫の一種であるLotagnostus americanusの初出現が提案されていますが、他の化石も考慮されています。さらに、上部の境界はコノドントのIapetognathus fluktiwagusの初出現に基づいて設定されています。

名称の由来

カンブリア紀第十期の正式名称は国際層序委員会によって決まっていませんが、地域的にはいくつかの名称が使われています。アメリカのユタ州にあるワーワー山脈のローソン湾から名付けられたローソニアンという呼び名が研究者の間で好まれていることもあります。

標準層序

国際層序委員会はカンブリア紀第十期の定義に使うべき地質学的セクションや生物層序について議論を進めています。候補地としては、最初に提唱された中華人民共和国浙江省のDuibian周辺や、後に有力視されたユタ州のハウス・レンジにあるスチームボート・パスがあります。特に、コノドント化石がこの期の基底に利用される可能性があり、オーストラリアやカザフスタン、カナダなどの地層が国際標準の候補として考えられています。

生物層序マーカー

生物層序学的なマーカーとして挙げられるのは、三葉虫やコノドントの種です。Lotagnostus americanusが最初に提案されたものの、後に問題が指摘されました。2006年には別の研究グループがコノドントのCordylodus andresiをマーカーに提案しましたが、多くの研究者はEoconodontus notchpeakensisの初出現を支持しています。この種は広範囲に分布しており、海洋環境に依存しない特徴から注目されています。

このように、Eoconodontus notchpeakensisの登場がカンブリア紀第十期の始まりを国際的に一致させるために、非生物層序的マーカーを使用することも提案されています。この種の下部層では、炭素同位体比の増加（HERBイベント）が観察されています。

下位分類

カンブリア紀第十期は、様々な生物層序ゾーンを用いてさらに細分化できます。具体的には、複数のコノドントゾーン、サブゾーン、三葉虫ゾーン、さらにそのサブゾーンによって構成され、多様な生物の進化や生態系の変遷を探る手がかりとなっています。

以上のように、カンブリア紀第十期は地質学的に重要な時期であり、さらにその場での生物多様性や層序の理解が進められています。

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