カヴァーデイル・ペイジ

カヴァーデイル・ペイジ

カヴァーデイル・ペイジは、デイヴィッド・カヴァデール（元ディープ・パープル、ホワイトスネイク）とジミー・ペイジ（元レッド・ツェッペリン）という、ロック界を代表する2人の大物ミュージシャンによる、1990年代のプロジェクトです。彼らが唯一発表したスタジオ・アルバムも同名で、音楽史に特異な足跡を残しました。

プロジェクトの経緯

このプロジェクトは、ゲフィン・レコードのA&Rマン、ジョン・カロドナーの提案によって実現しました。当時、ペイジはザ・ファーム以来となる本格的なバンド活動を模索しており、カヴァデールもまた、自身の音楽にレッド・ツェッペリンからの影響を取り入れていました。ペイジは当初、ロバート・プラントとのレッド・ツェッペリン再結成を試みていましたが、プラントの拒否により頓挫。そんな中、カヴァデールを起用したアルバム制作のニュースが報じられ、大きな話題を呼びました。

期待と不安

ペイジは、レッド・ツェッペリン解散後、かつての栄光を取り戻せずにいました。一方、カヴァデールは、ホワイトスネイクでの活動において、ロバート・プラントの模倣と揶揄されることもありました。そのため、この2人の組み合わせに対しては、伝説的なバンドの遺産を汚してしまうのではないかという懸念も存在しました。しかし、1970年代を代表するレッド・ツェッペリンのペイジと、1980年代にホワイトスネイクで成功を収めたカヴァデールの合体は、大きな期待を集めたのも事実です。

音楽性

ペイジは、このプロジェクトでレッド・ツェッペリン時代の音楽的アプローチを復活させ、全盛期を彷彿とさせるギタープレイと作曲能力を披露しました。カヴァデールの歌唱も、往年のハードロックを彷彿させるものでした。

日本公演とプロジェクトの終焉

1993年9月、ペイジはロバート・プラントからMTVアンプラグドでの共演を依頼され、カヴァーデイル・ペイジとしての活動は、日本でのコンサートを最後に解散することになりました。日本公演は大成功を収め、カヴァデールはレッド・ツェッペリンの楽曲をハイトーンボイスで歌い上げ、観客を魅了しました。

アルバムの評価とセールス

このアルバムは、レッド・ツェッペリン解散後のペイジのキャリアにおいて、最も商業的に成功した作品となりました。アメリカでは50万枚、日本では15万枚、イギリスでは6万枚を売り上げました。

参加ミュージシャン

Jimmy Page - ギター、ダルシマー、ハーモニカ、バッキング・ボーカル
David Coverdale - ボーカル、ギター
Denny Carmassi - ドラムス
Jorge Casas - ベース
Ricky Philips - ベース
Lester Mendez - キーボード、パーカッション
John Harris - ハーモニカ
Tommy Funderbuck - バッキング・ボーカル
* John Sambataro - バッキング・ボーカル

カヴァーデイル・ペイジは、短い活動期間ながらも、ロック史に独特の輝きを放つプロジェクトとして記憶されています。

もう一度検索