カーテナ

カーテナ（Curtana）

概要

カーテナは、イギリス王家に代々受け継がれている特別な剣で、英語ではCurtanaともよばれます。この剣の名は、アングロフランス語の「curtein」や、ラテン語の「curtus」から派生したもので、短いという意味を持ちます。その特徴的なデザインは、剣先がなく平坦な形状をしていることから、無先刀や無鋒剣とも呼ばれています。カーテナは「慈悲の剣」としても知られ、イギリスの戴冠儀式で重要な役割を果たしています。

歴史的意義

カーテナの歴史は、1213年に遡ることができるが、その正確な起源には様々な解釈があります。最初の記録は、1236年にエリナー・オブ・プロヴァンス王妃の戴冠式に関連しています。この時、聖エドワードの剣として取り上げられましたが、その由緒については疑義も多く存在します。カーテナの名は、アンジュー朝英国の文献の中で初めて文書化されました。

さらに、カーテナは一度失われたものの、チャールズ2世によって再鋳造され、1953年にはエリザベス2世の即位に際して使用されるなど、多くの歴史的な瞬間に立ち会っています。現在、この剣はロンドン塔の宝物館で保存されています。

デザインと仕様

カーテナの全長は約96.5cmで、柄の部分は19cmの幅があります。刃の先端は約2.5cm欠けており、中央には「走狼」と呼ばれるラインが刻まれています。これはかつて、ドイツのパッサウ産の剣を示すための印として使用されていました。また、鞘は赤ベルベットの革張りで、金刺繍が施されています。この鞘は17世紀以降に幾度か改作され、現在のものは1937年に作られました。

カーテナは、戴冠式の際に他の二つの剣、すなわち聖界正義の剣と俗界正義の剣と一緒に持たれます。これにより、歴史的な儀式の中で重要な象徴として位置づけされています。そのデザインの変遷は、時を経てさまざまな文化的影響を反映しています。

刀身と装飾

カーテナの刀身は、かつてはギザギザの先端を持っていたとされますが、後に平坦な形状に改造されました。この改造によって、カーテナは他の剣と区別されるようになり、特に聖界と俗界の剣の識別に役立っています。先端が平たく切りそろえられたことにより、刀身が持つ象徴的な意味も深まっています。

結論

カーテナはただの武器ではなく、イギリスの歴史と文化を象徴する重要なアイテムです。王家の儀式において、慈悲の象徴とされるこの剣は、今もなおその存在感を示しています。王族の戴冠式での役割や、歴史上の愛情豊かなエピソードが、カーテナを特別な存在にしています。これからも、この伝説の剣が持つ意義が語り継がれることでしょう。

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