カート＝リー・アレンゼ

カート＝リー・アレンゼ（Kurt-Lee Arendse）は、1996年 6月17日に南アフリカ共和国のパールで生まれたプロラグビーユニオン選手である。ウィングやフルバックを主なポジションとし、その卓越したスピードとステップワークで知られている。現在は南アフリカ国内の強豪チーム、ブルズおよび、その傘下であるブルー・ブルズ（カリーカップ所属）に所属している。

キャリアの始まり

彼のラグビーキャリアは若くして始まり、2014年には南アフリカラグビー協会主催のU18セブンズ大会で才能を示した。その後、州レベルのユース選手権へと進み、各年代別カテゴリーでプレーした。2015年にはウェスタン・プロヴィンスU19の一員としてU19州選手権に出場。翌2016年にはボーランド・カヴァリアーズU20でU20州選手権に、そして2017年には再びウェスタン・プロヴィンスU21でU21州選手権に出場し、経験を積んだ。

セブンズから15人制へ

アレンゼはまず7人制ラグビーで頭角を現した。2018年12月には、南アフリカラグビーセブンズアカデミーに招集され、より高いレベルでのトレーニングを開始。この経験を経て、2020年にはセブンズ南アフリカ代表（通称：ブランコ・セブンズ）として、モナコスーパーセブンズに出場し、国際大会へのデビューを果たした。セブンズでの活躍は続き、2021年には延期開催された東京オリンピックの7人制ラグビー競技において、南アフリカ代表の一員としてプレーした。

同時期、15人制のキャリアも本格化させる。2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により多くのトーナメントが中止・延期となる状況下で、アレンゼは国内トップリーグであるスーパーラグビーに参加するブルズおよびブルー・ブルズに加入した。加入初年度から重要な戦力となり、その年開催されたスーパーラグビー・アンロックト2020でチームの優勝に貢献。さらに、2020-21年シーズンのカリーカップでもチームは優勝を果たし、国内主要タイトルの連覇を経験した。ブルズが参加するユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ（URC）においても、彼のパフォーマンスは際立っており、2022-23シーズンおよび2023-24シーズンの2年連続でリーグのベストプレーヤーで構成される「エリートXVチーム」に選出されるなど、リーグ屈指のバックスとして評価を確立している。

ラグビー南アフリカ代表（スプリングボクス）での活躍

15人制の南アフリカ代表、通称スプリングボクスにも選出され、世界の強豪チームとの対戦でその実力を証明している。ザ・ラグビーチャンピオンシップには2022年から3年連続で参加。特に2023年大会では抜群の決定力を見せ、大会の最多トライゲッターとなった。そして2024年大会では、スプリングボクスの優勝に貢献した。彼のキャリアにおける最も輝かしい功績の一つは、ラグビーワールドカップ2023での優勝だろう。大会期間中、南アフリカ代表の主要メンバーとして活躍し、チームの4度目のワールドカップ制覇に大きく貢献した。

日本での挑戦

南半球でのシーズンオフ期間を利用し、アレンゼはキャリア初の海外リーグ挑戦として日本のジャパンラグビーリーグワンへ参戦した。2024-25シーズンの北半球期間、所属元のブルズと契約を結んだまま、サバティカル（長期休暇）制度を利用して三菱重工相模原ダイナボアーズに期間限定で加入した。2024年12月22日に行われたリーグワン第1節、浦安D-Rocks戦に先発出場し、日本の公式戦でのプレーをスタートさせた。約半年間の滞在期間中、ダイナボアーズの攻撃の要として活躍し、リーグワンでは合計11試合に出場して7トライを記録した。サバティカル期間の終了に伴い、2025年5月をもって三菱重工相模原ダイナボアーズを退団し、所属元のブルズおよびブルー・ブルズに戻った。ブルズとの契約は2026年まで継続しており、今後も南アフリカを拠点に世界トップレベルでの活躍が期待されている選手である。

主な所属チーム

ブルズ（南アフリカ）
ブルー・ブルズ（南アフリカ）
三菱重工相模原ダイナボアーズ（日本、期間限定）

主な実績

スーパーラグビー・アンロックト優勝 (2020)
カリーカップ優勝 (2020-21)
東京オリンピック7人制ラグビー出場 (2021)
ザ・ラグビーチャンピオンシップ最多トライ (2023)
ザ・ラグビーチャンピオンシップ優勝 (2024)
ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップエリートXV選出 (2022-23, 2023-24)
ラグビーワールドカップ優勝 (2023)

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