カーネギー自然史博物館について
概要
カーネギー自然史博物館(Carnegie Museum of Natural History、略称: CMNH)は、
アメリカ合衆国ペンシルベニア州
ピッツバーグ近郊に位置する自然史博物館です。
1896年に実業家アンドリュー・カーネギーによって設立され、長い歴史と国際的な研究評価を持つ博物館の一つです。この博物館は、アメリカの五大自然史博物館にも数えられています。
同博物館の広さは10,700平方メートルで、20のギャラリーを有し、研究、図書館、事務所などの機能が組み合わさっています。約2,100万点の標本が収蔵されており、その中の10,000点が常設展示されています。さらに、100万点以上の標本がオンラインでカタログ化されているため、訪問者は自宅でも博物館の資料を利用することができます。
歴史と研究
カーネギー自然史博物館の名は、
1899年に博物館に所属する研究者が発見したディプロドクス・カルネギイイの化石に由来しています。今日、同館の恐竜化石コレクションは
ジュラ紀の恐竜の中でも世界最大のものとなり、アメリカ国内では展示数で3番目の規模を誇ります。最大はスミソニアンの国立自然史博物館、次いで
アメリカ自然史博物館です。
館内には、著名な恐竜の全身骨格である「サムソン」や、新種と見られるオヴィラプトルの化石も展示されています。また最近では、フルイタフォソール・ウインドシェフェリという新たな哺乳類の化石も発見されました。
特別展示とテーマ
博物館内にはさまざまなテーマに基づく展示があります。例えば、ヒルマンホールでは鉱物と宝石、アルコア財団ホールではアメリカ・インディアンの文化が紹介されています。他にも、北極の生命をテーマにした「極地の世界:ワイコフホール」や、古代エジプトに関する「ウォルトンホール」、地質学や自然保護区に触れる「ベネダムホール」があります。これらの展示は、博物館が自然の長期研究のための拠点として機能することを目的に設置されています。
研究機関
カーネギー自然史博物館は多様な研究部門に編成されており、
人類学、鳥類学、
植物学、保全生態学、爬虫類や両生類、古無脊椎動物学、無脊椎動物学、哺乳類学、
鉱物学、軟体動物学、古
植物学、古脊椎動物学など、幅広い分野での研究が行われています。学術雑誌や書籍の発行も手掛けており、特に「カーネギー博物館紀要」や「カーネギー自然史博物館の記録」、「特別出版物」などの専門誌が定期的に発行されています。これらはそれぞれの研究分野に特化した内容で、多くの研究者や愛好者に利用されています。
入館者数
2008年には、博物館の年間入館者数は386,300人にのぼり、その中には63,000人の学校団体も含まれていました。多くの来館者がこの博物館の多様な展示や研究内容に興味を持ち、訪れています。カーネギー自然史博物館は、自然史の探求を通じて地域社会や国際共同研究に貢献し続けています。