カーマ・ポリス

レディオヘッドの代表曲「Karma Police」

「カーマ・ポリス」(Karma Police)は、イギリスのロックバンド、レディオヘッドの楽曲です。1997年にリリースされた3rdアルバム『OK Computer』に収録されており、同アルバムからのセカンドシングルとして発表されました。全英シングルチャートでは最高8位を記録しています。

この曲は、レディオヘッドの楽曲の中でも特に人気と知名度が高く、多くの音楽ファンに愛されています。英国の雑誌が行うアンセムの投票などでは、しばしば上位にランクインするほどです。また、数多くのアーティストによってライブでカバーされており、トリビュートアルバムにも頻繁に収録されています。ノエル・ギャラガーは、インタビューでこの曲をレディオヘッドのベストソングの一つとして挙げています。

Mojo誌のキース・オールディンは、この曲のレビューで「もしジョン・レノンが1990年代に生きていたなら書いたであろう曲」と評しました。

タイトルとアレンジ

曲のタイトルは、当時バンドの仲間内で皮肉を込めてよく使われていたジョークに由来しています。ギタリストのエド・オブライエンが、このジョークをタイトルにした曲を作ろうと提案したことがきっかけで制作されました。エドは、アレンジ面でも大きな貢献をしています。シングルのB面には、エドがほとんど一人で作曲した「Lull」と「Meeting in the Aisle」が収録されています。

ミュージックビデオ

PVは、前作『ザ・ベンズ』の収録曲「Street Spirit (Fade Out)」のミュージックビデオを手がけたジョナサン・グレイザーが監督しました。ビデオでは、トム・ヨークが後部座席に座った車が、夜の暗い一本道をゆっくりと走り、ヘッドライトに照らされた中年男性を追いかけていく様子が描かれています。男性は車から垂れたガソリンに火を放ち、車は炎上しますが、トムはいつの間にか後部座席から姿を消し、フェードアウトしていきます。カメラの動きを極端に抑えることで、焦燥感を演出しているのが特徴です。

サウンドプロダクションと歌詞

この楽曲は、アコースティックギターとピアノの弾き語りを基調としたフォークバラードであり、『OK Computer』の収録曲の中では比較的シンプルな構成となっています。「he talks in maths（彼は数学で詭弁を語る）」「her Hitler hairdo is making me feel ill（彼女のヒトラーみたいな髪型が気分を悪くさせる）」といった印象的な歌詞に続き、「This is what you get（これがオチだ）」というフレーズが登場します。最後には転調し、「Phew, for a minute there, I lost myself, I lost myself（ああ、一分間そこで、自分を見失ってしまった）」という歌詞が繰り返されます。トム・ヨークは、この歌詞について「ユーモアのあるもの」と説明しています。

山彦のようなコーラスや、最後のディレイを発振させたアウトロなど、エドのアレンジが歌詞と絡み合い、効果的に用いられています。曲名の発案と合わせて、彼の貢献は非常に大きいと言えるでしょう。また、ピアノの使い方やコード進行には、ビートルズの「セクシー・セディー」からの影響が見られ、トム自身もそれを公言しています。

ライブでは、アンコールソングの定番の一つとなっており、トムがほとんど歌わず、観客に合唱させることもあります。

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