カーラ・ブルーニ

カーラ・ブルーニ・サルコジ

イタリアに生まれ、フランスで育ったカーラ・ブルーニ・サルコジ（Carla Bruni-Sarkozy）。国際的なファッションモデルとして一世を風靡した後、成功した歌手へと転身。さらに、フランス元大統領のニコラ・サルコジ夫人として、その動向が世界中から注目されるファーストレディを務めました。本名はイタリア語でカルラ・ブルーニ・テデスキといい、身長は176cmです。

生い立ち

1967年12月23日、イタリア北部の都市トリノで誕生しました。父は作曲家のアルベルト・ブルーニ＝テデスキ、母はフランスとイタリアの血を引くピアニスト、マリサ・ボリーニという芸術家の家庭に育ちます。しかし、アルベルトは法的な父であり、後に生物学的な父が母の当時の恋人であったクラシックギター奏者のマウリツィオ・レンメルトであることが明かされました。姉は女優で映画監督のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、兄ヴィルジニオは若くしてエイズで亡くなっています。

一家は、祖父が創業した成功したタイヤメーカーを持っていましたが、父アルベルトの代に経営が傾き、会社は売却されます。それでも一族は豊かな資産を保持していましたが、当時イタリアで富裕層を狙った誘拐事件が多発していたことから、安全のために1975年に家族でフランスへ移住。カーラは7歳からフランスで暮らすことになり、スイスの寄宿学校を経て、パリの名門校リセ・ジャンソン＝ドゥ・サイイやパリ第一大学で学びました。かつて名門貴族の家系と紹介されたこともありますが、これは祖父の再婚相手が貴族であったためであり、カーラ自身は貴族の血筋ではありません。

経歴

大学在学中にスカウトされたのを機に、1987年にモデルとしてデビュー。瞬く間に頭角を現し、1990年代には世界のファッションシーンをリードするスーパーモデルの一人として活躍しました。シャネル、ディオール、セリーヌなど、数多くの有名ブランドのショーやキャンペーンに起用され、様々なファッション雑誌のカバーを飾りました。モデルとしての第一線からは29歳で退いています。

歌手活動

モデル引退後、音楽家ジュリアン・クレールとの出会いをきっかけに、音楽の道へと進むことを決意しました。2002年に歌手としてデビューし、自ら作詞作曲した楽曲を中心に収録したアルバム『ケルカン・マ・ディ〜風のうわさ』を発表。このアルバムはフランスで爆発的なヒットを記録し、世界中で100万枚以上を売り上げる大成功を収めました。この功績により、2004年にはフランスの主要音楽賞「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュージック」で最優秀女性アーティストに選ばれています。その後も精力的に音楽活動を続け、2007年にはアルバム『ノー・プロミセズ』が米ビルボード誌のヨーロッパ・アルバム・チャートで初登場1位を獲得するなど、歌手としても高い評価を確立しました。

主なスタジオ・アルバムとしては以下が挙げられます。

『ケルカン・マ・ディ〜風のうわさ』 (Quelqu'un m'a dit) - 2003年
『ノー・プロミセズ』 (No Promises) - 2007年
『何もなかったかのように コム・シ・ドゥ・リヤン・ネテ』 (Comme si de rien n'était) - 2008年
Little French Songs - 2013年
『フレンチ・タッチ』 (French Touch) - 2017年
Carla Bruni - 2020年

ファーストレディとして

2007年末、当時のフランス大統領ニコラ・サルコジ氏との交際が報じられ、世界中のメディアの注目を集めました。二人は2008年1月に結婚し、カーラはフランスのファーストレディとなりました。しかし、その華やかな経歴や過去のヌード写真などが政治とは無関係なゴシップとして取り上げられ、一時的にサルコジ大統領の支持率に影響を与えたこともありました。ブルジョワ的なライフスタイルや、権力に近い立場であることへの反感から、国民からの人気は必ずしも高くなく、ある雑誌の読者投票では「最もムカツク有名人」に選ばれたこともあります。一方で、ファーストレディとしての公務は次第に無難にこなすようになりました。また、イタリアの左翼テロ組織「赤い旅団」の元メンバーのイタリアへの送還問題では、人道的見地から姉とともにサルコジ大統領に働きかけ、送還を阻止。これはイタリアとフランスの間に波紋を広げ、外交問題に発展しました。

私生活

カーラ・ブルーニは、その華やかな交際遍歴でもしばしばメディアを賑わせました。1990年代には、エリック・クラプトンやミック・ジャガー、ドナルド・トランプといった著名人との関係が報じられ、世間に広く知られるきっかけの一つとなりました。俳優のヴァンサン・ペレーズやケビン・コスナーとも交際経験があります。2001年には、哲学者のラファエル・エントヴェンとの間に息子オレリアンをもうけています。この関係は、当初ラファエルの父と同棲していたという複雑な状況から始まりました。そして2008年、ニコラ・サルコジ大統領と結婚。2011年10月19日には、二人の間に娘ジュリアが誕生しました。

モデル時代からの友人には、クラウディア・シファーや故カール・ラガーフェルドといったファッション界の著名人が多くいます。カール・ラガーフェルドは、カーラとサルコジ大統領の結婚について、「教養があって美しいカーラは、時代が求めるファーストレディだ」と評価したと言われています。

カーラ・ブルーニ・サルコジは、モデル、歌手、ファーストレディと、異なる分野でそれぞれに成功を収め、その個性的な生き方と才能で常に注目を集め続ける人物です。

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