カールズバッド (ニューメキシコ州)

カールズバッド：ニューメキシコ州の自然と歴史が息づく都市

カールズバッドは、アメリカ合衆国ニューメキシコ州南東部に位置する都市で、エディ郡の郡庁所在地です。人口は約3万2千人（2020年）で、チワワ砂漠とペコス川の流域に広がる、標高953メートルの場所にあります。この地は、テキサス州境からほど近く、グアダルーペ山脈国立公園やカールズバッド洞窟群国立公園といった、壮大な自然に囲まれています。

地理と自然

カールズバッドは、北緯32度24分43秒、西経104度14分11秒に位置し、総面積は73.6平方キロメートルです。市域内にはペコス川が流れ、その水面は市域全体の0.18%を占めています。周囲には、カールズバッド湖を含む3つの人工湖があり、豊かな自然環境を形成しています。特に、カールズバッド洞窟群国立公園は、その壮大な地下景観で世界的に知られています。

歴史

1888年、ペコス川のほとりに「エディ」という町として誕生しました。1893年には地方自治体として組織され、後に、近隣の鉱泉がボヘミアのカールスバート（現在のチェコ共和国カルロヴィ・ヴァリ）にちなみ、「カールズバッド」と改名されました。1918年には、ニューメキシコ州知事によって都市として宣言されました。

カールズバッドの歴史において重要な出来事の一つが、1901年に地元のカウボーイによって再発見されたカールズバッド洞窟（当時は「コウモリの洞窟」として知られていた）です。1930年には、カールズバッド洞窟群国立公園が設立され、この地域は観光地として大きく発展しました。

また、1925年には炭酸カリウムが発見され、長年、アメリカの炭酸カリウム市場を牽引しました。1960年代に市場が衰退した後、カールズバッドは核廃棄物隔離試験施設の建設を推進し、1999年には最初の廃棄物が到着しました。さらに、1961年には、市の南東40kmの地点で、地下核実験「ノーム実験」が行われました。

経済

カールズバッドの経済は、鉱物資源、観光、そして核廃棄物処理という、３つの柱で支えられています。都市は、石油とガスが豊富なパーミアン盆地に位置し、アメリカ有数の炭酸カリウム産地でもあります。また、アメリカ合衆国エネルギー省カールズバッド地区オフィスが置かれ、核廃棄物隔離試験施設では超ウラン廃棄物の安全な貯蔵が行われています。

近年では、サービス業も成長しており、コールセンターや医療転写センターなどが進出しています。近隣には、カールズバッド洞窟群国立公園やグアダルーペ山脈国立公園などの観光地があり、毎年多くの観光客が訪れます。

教育・研究

教育機関としては、カールズバッド地方学区に加え、ニューメキシコ州立大学カールズバッド校、サウスウエスト・カレッジの分校、ノースウッド大学などがあります。また、ニューメキシコ州立大学の環境調査研究センターやニューメキシコ工科大学の国立洞窟カルスト研究センターなど、研究施設も充実しています。サンディア国立研究所とロスアラモス国立研究所もカールズバッドに支所を置いています。

交通

カールズバッドは、ルート62/180とルート285という2つの主要な高速道路が交差する交通の要衝です。カヴァーンシティ空港からは、アルバカーキ、ホッブス、ロズウェルといったニューメキシコ州内の都市へ航空便が運航しています。

名所

カールズバッドには、以下のような名所があります。

カールズバッド洞窟群国立公園
グアダルーペ山脈国立公園
リビングデザート動物園＆植物園州立公園
国立洞窟カルスト研究センター
ザ・カスケーズ・オブ・カールズバッド
リンカーン国有林
プロジェクトGNOME
プロジェクト・プレイグラウンド
* カールズバッド・スケートパーク

これらの名所は、カールズバッドの豊かな自然と歴史を象徴しています。


カールズバッドは、自然と歴史、そして最先端の技術が融合した魅力的な都市です。

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