カール・フォン・ブラース

カール・フォン・ブラース：オーストリアの画家と教育者

カール・フォン・ブラースは1815年4月28日にオーストリアのチロル州ナウダースで生まれた画家です。彼はウィーン美術アカデミーの教授として広く知られており、その後ヴェネツィア美術アカデミーでも教鞭をとりました。彼の人生や業績を辿ることで、19世紀の欧州美術界に与えた影響を知ることができます。

学びと影響

ブラースは1832年にインスブルックにて学び始めました。母方の叔父の支援を得て、彼は1832年から1837年にかけてヴェネツィア美術アカデミーで学びました。そこで教わったルドヴィーコ・リッパリーニの指導は、彼にとって非常に重要な影響を与えました。

1850年代初頭に、ブラースは歴史画を描く技術を身につけ、その結果としてローマ留学の権利を得るという名誉を受けました。彼は数年間ローマやフィレンツェで活動し、地元の画家からの影響を受けながら自身のスタイルを確立していきました。特に、ナザレ派の画家であるヨハン・フリードリヒ・オーファーベックの作品は、彼の感性に大きな影響を与えました。

教育者としての業績

ブラースは装飾画や肖像画において高く評価されるようになり、1851年にはウィーン美術アカデミーの教授に任命されました。彼はウィーン軍事史博物館において壁画を手掛けるなど、公共の場でもその才能を発揮しました。1855年のパリ万国博覧会に出品し、入賞を果たすことでもその名声を強化しました。

1855年以降、彼は1814年から1866年の間にオーストリアが支配していたヴェネツィアに移り、再び美術アカデミーで教授として教える役割を果たしました。

ブラースの教え子には、レオポルト・カール・ミュラーやフランチェスコ・ベーダ、エウジェニオ・プラティ、ジュゼッペ・バリソン、ジュリオ・デル・トーレらがいます。これらの学生たちは、ブラースの教育を受けた後、それぞれに独自の道を歩み、芸術界において重要な役割を果たしました。

家族とその影響

カール・フォン・ブラースには、二人の子供がいます。息子のオイゲン・フォン・ブラース（1843-1942）とユリウス・フォン・ブラース（1845-1923）も有名な画家として活動し、父の遺志を継いで芸術の世界で成功を収めました。

結論

1894年3月19日、カール・フォン・ブラースはこの世を去りましたが、彼の作品や教育によって多くの人々に影響を与えました。彼の記憶は、彼が教えた学生たちを通じて、今なお生き続けています。ブラースの功績は、オーストリアのみならず、欧州全体の美術史において重要な位置を占めています。

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