カール・ヤーコプ・ブルクハルト

カール・ヤーコプ・ブルクハルト

カール・ヤーコプ・ブルクハルト（Carl Jacob Burckhardt、1891年9月10日 - 1974年3月3日）は、スイス出身の外交官および歴史家として広く知られています。彼の外交官としてのキャリアには、重要な役職が多く含まれており、特に国際連盟の自由都市ダンツィヒ高等弁務官（1937年 - 1939年）や赤十字国際委員会総裁（1945年 - 1948年）としての経験が著名です。

生い立ちと学問

ブルクハルトは、スイスのバーゼルにある貴族家系に生まれ、バーゼルとシュテックボルンで教育を受けました。続いて、バーゼル大学、チューリッヒ大学、ミュンヘン大学、ゲッティンゲン大学で学び、影響を受けた教授にはエルンスト・ガリアルディやハインリヒ・ヴェルフリンがいます。1918年から1922年の間に、オーストリア＝ハンガリー帝国崩壊の影響を受け、スイス公使館で外交の世界に足を踏み入れた経験があります。

1922年には博士号を取得し、その後、[赤十字国際委員会]に参加し、小アジアへ派遣されました。ここでギリシャとトルコ間の住民交換を支援し、その後スイスに戻ります。

学術と著作活動

スイスに戻ったブルクハルトは、エリーザベト・ド・レイノルドと結婚し、学問に専念しました。チューリッヒ大学で私講師に任命されたのち、1932年から妥協研究の大学院で正教授として活躍しました。彼の著作には、彼の歴史観を表した作品が多く、特に『枢機卿リシュリュー』の伝記シリーズは評価が高いです。この作品は1941年に始まり、1967年までに全4巻が完成しました。

外交キャリアの再開

彼のキャリアは、1937年から再び外交の道に戻ります。ダンツィヒ高等弁務官として、国際連盟のもとで地域の国際的地位を守ろうとする彼の努力は評価されますが、ナチス政府の圧力には抗しきれませんでした。ドイツによるポーランド侵攻が進むなか、彼は外交官としての役割を果たす際に数々の困難に直面しました。

ダンツィヒの任務終了後は、再び教授職に戻り、ダンツィヒでの経験をもとにICRCの重要な役割を担いました。彼の外交関係を活かし、民間人や囚人の待遇を改善するための交渉も行いました。

戦後の姿勢と物議

戦後、彼はICRCの総裁に選ばれ、組織の国際的な役割を統合し強化しました。しかしながら、彼が取った中立的な立場がナチスの行動に対する批判を避ける結果を生む一方、彼自身からは批判を受けることになりました。彼の強い反共思想も、後年には議論を巻き起こす要因となりました。

1949年以降は学術活動に専念し、数多くの歴史に関する著作を発表しました。1954年にはドイツ書籍協会平和賞を受賞し、1974年にスイスのヴォー州で亡くなりました。彼の生涯は、外交活動と学問の双方で価値ある成果をもたらすとともに、時に激しい論争を巻き起こしました。

代表的な著作

• - 『Der Berner Schultheiss Charles Neuhaus』(1925)
• - 『Richelieu』(4巻、1935–67)
• - 『Gestalten und Mächte』(1941)
• - 『Reden und Aufzeichnungen』(1952)
• - 『Meine Danziger Mission, 1937–1939』(1960)
• - 『GW』(6巻、1971)
• - 『Memorabilien』(1977)
• - 『Briefe: 1908–1974』(1986)

彼の影響は歴史と国際関係において今なお考察され続けています。

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