カールーン川

カールーン川は、全長720kmに及ぶイラン最長の川です。また、イラン国内で最も水量が豊富な河川であり、旅客船が航行できる唯一の川としても知られています。

源流はザグロス山脈に位置するイラン国内最高峰のザルド山（標高4,548m）です。そこから南西方向へと流れ、フーゼスターン州の州都であるアフヴァーズを通過し、ペルシャ湾へと向かいます。下流部では、シャットゥルアラブ川（イラン国内での呼称はアルヴァンド川）との間にアーバーダーン島を形成し、最終的にはホッラムシャフルでシャットゥルアラブ川に合流します。

カールーン川の下流部東側には、広大なシャデガン湿地が広がっています。この湿地はカールーン川によって潤されており、ウスユキガモの重要な越冬地として機能していることから、1975年にラムサール条約登録地となりました。湿地の生態系保全において重要な役割を果たしています。

また、カールーン川は、旧約聖書に登場するピション川の一つであるという説も存在します。古代から人々の生活と深く関わってきた川であることがうかがえます。

このようにカールーン川は、イランの地理、文化、生態系において重要な役割を果たしている河川です。その豊かな水は、人々の生活を支え、多様な生態系を育んでいます。

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