カーロス・エリオット

カーロス・エリオットのボクシングキャリア

カーロス・エリオット（Carlos Elliott）は1962年4月29日にアラバマ州で生まれた元プロボクサーである。彼は日本のスーパーウェルター級とOPBFスーパーウェルター級の両タイトルを獲得した実績を持っている。アメリカ合衆国出身でありながらも、日本のボクシング界に足を踏み入れ、プロとしてのキャリアを積み重ねた。

プロボクシングの道へ

エリオットは在日米軍として青森県三沢市の三沢飛行場で勤務していた。その傍ら、彼は「八戸帝拳」というジムに所属し、プロボクシングのライセンスを取得した。彼は、日本でライセンスを取得し、日本のリングで活動したボクサーの一人であり、アメリカのジムではなく日本で訓練を受けてきた。

彼のキャリアは、同じジムのボクサー、マーク堀越と共にスタートした。デビュー戦から連勝を重ね、6戦全てをKO勝利で飾り、すぐに国内のウェルター級ランクで1位に上り詰めた。1984年には日本タイトルに挑戦する機会を得たが、対戦相手は過去11回の防衛戦を10KOという圧倒的な勝利で守ってきた強打者、串木野純也だった。

激闘と悲劇

エリオットは試合開始早々から王者を圧倒し、5回まで優勢に進めていた。しかし、6回に串木野の右ストレートでダウンを喫し、さらには立ち上がった後に再度ダウンを喫してしまう。わずか7戦目での挑戦は、経験不足から逆転負けを喫する結果となった。

翌1985年、エリオットは階級をスーパーウェルター級に上げ、日本タイトルを獲得する。その後、彼の強打を恐れて対戦相手が次々と逃げることになり、エリオットは1997年にOPBFスーパーウェルター級を獲得する。しかしその後、国際試合を考えていたところ、伏兵のフランシスコ・リスボア（インドネシア）に判定負け。5ヶ月後、再度リスボアと対戦し、KOでタイトルを奪回する。

1991年にはデビュー29戦目でWBA世界スーパーウェルター級王座決定戦に挑むチャンスが巡ってくるが、その試合で顎を打たれ、KO負けとなった。重傷を負った彼は病院に搬送され、意識不明の重体に陥った。その後、退院を果たしたが、現役引退を決意した。

プロボクサーとしての実績

エリオットの生涯戦績は29戦26勝（22KO）3敗というもので、その中には数々の苦闘があった。彼の強打とスピードは多くのファンを魅了し、日本のボクシング界に多大な影響を与えた。

私生活と家族

ボクサーとしてのキャリアが進む中、エリオットは三沢米軍基地内の美容室に勤務していた日本人女性と結婚。彼には3人の子どもがいたが、長男が10歳のときに離婚した。彼の長男は三代目J SOUL BROTHERSのELLY、次男はTHE RAMPAGEのLIKIYAとして知られている。

エリオットは今でも多くの人々の記憶に残る選手であり、現役時代にはオフコースの曲「緑の日々」のPVに出演するなど、ボクシング界の枠を超えて活動したことでも知られている。また、テレビ番組にも登場し、息子たちの成功についてのエピソードを語る姿も見受けられる。

結論

カーロス・エリオットは、その情熱と努力で日本のボクシング界に名を刻んだ貴重な存在であり、今でも多くのファンに愛されているボクサーである。彼のキャリアは、数々の挑戦と成功、そして苦難を通じて、ボクシングの魅力を伝え続けている。

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