ロード&トラック

ロード&トラック (Road & Track) 自動車雑誌

「ロード&トラック」（Road & Track、略称R&T）は、1947年にアメリカで創刊された老舗の自動車雑誌です。ハーストマガジンズから年6回発行され、編集拠点をニューヨークに置いています。

歴史

雑誌は1947年、ウィルフレッド・H・ブレーハウトJr.とジョセフ・S・フェネシーという2人の友人によって、ニューヨーク州ヘムステッドで創刊されました。初期の頃は経営が安定せず、1947年から1949年の間にわずか6号しか出版されませんでしたが、1952年までに状況は好転します。編集者であり定期寄稿者でもあったジョン・R・ボンドとその妻エレインが雑誌の所有者となり、雑誌は成長期に入ります。1972年、CBSパブリケーションズに売却されるまで、その成長は続きました。

雑誌名の「Road & Track」にあるアンパサンド（&）は、1955年に当時の編集長テリー・ガラノイによって導入されました。当初のタイトル「Road and Track」では長すぎて、ニューススタンドで認識しづらいと考えたため、「and」をアンパサンドに置き換えたのです。

その後、1988年にアシェット・フィリパッキ・メディアが雑誌の所有権を取得。2008年10月には、20年間編集長を務めたトス・L・ブライアントの後任として、マット・デロレンゾが編集長に就任しました。2011年には、ハースト・マガジンズがこの雑誌を買収。2012年6月にはラリー・ウェブスターが編集長となり、デロレンゾはアドバイザーに就任しました。また、この時期に編集拠点をカリフォルニア州ニューポートビーチからミシガン州アナーバーに移転しています。

2016年2月には、ウルフキルがウェブスターの後任として編集長に就任。しかし、2019年3月、ウルフキルはミシガン州の編集局が閉鎖され、出版がニューヨークのハーストタワーに移転すると発表しました。彼のLinkedInのプロフィールによると、ロード&トラックでの最終日は2019年2月となっています。その後、当時ロード&トラックのウェブサイトディレクターだったトラビス・オクルスキーが、2019年5月号から編集長の役割を引き継ぎました。

「ロード&トラック」は、同じハースト傘下の自動車雑誌「カー・アンド・ドライバー」とは姉妹誌の関係にあり、広告、販売、マーケティング、発行部数を共有しています。ただし、編集業務は異なり、出版社も別々に存在します。

2020年8月には、雑誌はエレガントなデザインと詳細な特集記事を重視した、大判の隔月刊誌へと移行しました。以前にザ・ドライブ・フォー・タイム株式会社を立ち上げたマイク・ガイが次期編集長となり、エグゼクティブ・エディターのダニエル・パンドとクリエイティブ・ディレクターのネイサン・シュローダーを雇用し、共同で「ロード&トラック」をより豪華な愛好家向け雑誌として再構築しました。「ザ・スモーキング・タイヤ」のマット・ファラーや、ベストセラー作家A.J.ベイム（「Go Like Hell」、「まさかの大統領」の著者）も編集者として加わりました。

2024年1月には、元編集長のダン・プンドが再び「ロード&トラック」の編集長に就任することが発表されました。

内容

「ロード&トラック」では、新型車、ヴィンテージカー、レーシングカーに焦点を当て、試乗レビュー、ロードトリップ、比較テストなどを掲載しています。元レーシングドライバーであるポール・フレール、サム・ポージー、F1チャンピオンのフィル・ヒルなどが記事を寄稿することも多く、その他にも、マクラーレン・F1をデザインしたゴードン・マレー、自動車会社幹部のボブ・ラッツ、ヘンリー・N・マニー3世、ピーター・イーガン、ジェイソン・カミサ、マット・ファラーなど、著名な人物が記事を執筆しています。

他の多くの自動車雑誌と同様に、「ロード&トラック」も毎年恒例の「カー・オブ・ザ・イヤー」テスト「ロード&トラック・パフォーマンスカー・オブ・ザ・イヤー」を実施しており、2020年の受賞車はヒュンダイ・ヴェロスターNでした。

ビデオゲーム

「ロード&トラック」は、アコレードがMS-DOS用に開発した1992年のビデオゲーム「グランプリ・アンリミテッド」に協力しました。また、1994年のビデオゲーム「The Need for Speed」にも協力し、デザイナーが車両の挙動と音を実際の車に近づけるための支援を行っています。

関連項目

カー・アンド・ドライバー
オートモービル (雑誌)
* モーター・トレンド

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