ガイウス・ウィビウス・パンサ・カエトロニアヌス

ガイウス・ウィビウス・パンサ・カエトロニアヌス

ガイウス・ウィビウス・パンサ・カエトロニアヌス（生年不詳 - 紀元前43年）は、共和政ローマ末期に活躍した元老院議員であり、執政官を務めた人物です。

生涯

パンサの幼少期の記録は残っていません。彼の政歴が明らかになるのは、紀元前51年に護民官に就任した時からです。ローマ内戦においては、ガイウス・ユリウス・カエサルを支持し、元老院派と対立しました。カエサルの暗殺後、パンサは共和政ローマにおいて指導的な立場を担うようになります。

紀元前43年、パンサはアウルス・ヒルティウスと共に執政官に選出されました。当時、マルクス・アントニウスがガリア・キサルピナでデキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌスを包囲しており、元老院はアントニウス討伐を決定、パンサも出撃することになります。この戦いには、同僚のヒルティウスに加え、アントニウスと敵対していたオクタウィアヌス（後のアウグストゥス）も軍団を率いて参戦しました。

紀元前43年4月14日、パンサ、ヒルティウス、オクタウィアヌス率いる元老院軍とアントニウス軍は、フォルム・ガッロルムの戦いで激突しました。その後、ムティナの戦いにおいて決着がつきます。元老院軍は勝利を収めたものの、ヒルティウスが戦死、パンサもフォルム・ガッロルムの戦いで負った傷が原因で数日後に命を落としました。

正規の執政官2名が相次いで戦死したことで、元老院側の軍勢はオクタウィアヌスが掌握することとなりました。アントニウスは戦いを生き延びてガリアへ逃亡し、そこでマルクス・アエミリウス・レピドゥスと合流しました。アントニウスとレピドゥスは追撃してきたデキムス・ブルトゥスを破ります。その後、オクタウィアヌスはアントニウス、レピドゥスと和解し、第二回三頭政治を結成、元老院に対抗する姿勢を鮮明にしました。

パンサの死は、共和派がカエサル派に対抗する上で重要な軍事力を失ったことを意味すると言えるでしょう。

関連項目

* 共和政ローマ執政官一覧

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