マルクス・アエミリウス・レピドゥス

マルクス・アエミリウス・レピドゥス：共和政ローマ末期の turbulent な政治家

マルクス・アエミリウス・レピドゥス（紀元前89年頃 - 紀元前13年）は、共和政ローマ末期における重要な政治家の一人です。彼は、第二回三頭政治の一員として権力を掌握し、激動の時代を生き抜きました。

生涯

レピドゥスは、古代ローマの名門であるアエミリウス氏族に生まれました。彼の父も同名の政治家であり、スッラの死後にマリウス派の残党を率いて反乱を起こしましたが、ポンペイウスに敗れて病死しました。

レピドゥスはガイウス・ユリウス・カエサルに仕え、その補佐官として活躍しました。カエサルがルビコン川を渡った後、法務官に任命され、カエサルの内政を任されました。ファルサルスの戦いの後には執政官に選出され、カエサルが終身独裁官に任命されると、マギステル・エクィトゥム（騎兵長官）に就任しました。

紀元前44年3月15日、カエサルが暗殺されると、レピドゥドゥスはマルクス・アントニウスらと共に、カエサルの政治の継続を暗殺者たちと交渉しました。軍隊を率いていたレピドゥスは、共和派への大きな圧力となりました。その後、カエサルの死によって空席となった最高神祇官に就任しました。

カエサルの後継者を巡り、オクタウィアヌスとアントニウスの間の緊張が高まると、レピドゥスはアントニウスを支援しました。ムティナの戦いでアントニウスが敗れると、レピドゥスは彼を迎え入れ、共和派に対抗しました。

紀元前43年、レピドゥス、アントニウス、オクタウィアヌスの三者による第二回三頭政治が成立しました。彼らは国家再建三人委員会を組織し、プロスクリプティオに基づき共和派の粛清を開始しました。この粛清により、キケロをはじめとする多くの共和派が殺害されました。

フィリッピの戦い後、アントニウスとオクタウィアヌスの対立が深まると、レピドゥスは政治的に孤立していきました。紀元前40年、ブルンディシウム協定により、レピドゥスはアフリカの統治を任されました。

紀元前36年、レピドゥスはオクタウィアヌスの打倒を図って失敗し、全ての役職を剥奪されました。最高神祇官の地位は保持したものの、ローマから離れて隠棲し、紀元前13年に亡くなりました。

評価

レピドゥスは、共和政ローマ末期の動乱期において、重要な役割を果たした人物です。彼は、カエサルの腹心として、また第二回三頭政治の一員として、政治の実権を握りました。しかし、最終的にはオクタウィアヌスとの権力闘争に敗れ、失脚しました。

アウグストゥスは自身の『業績録』の中で、最高神祇官職を奪うこともできたのに死まで待ったことを自身の美徳の1つに数えました。レピドゥスは、共和政末期の動乱の主要人物の中で、自然死を迎えた数少ない人物でした。

レピドゥスの生涯は、共和政ローマ末期の政治の複雑さと権力闘争の激しさを物語っています。

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