ガガーリン (小惑星)

ガガーリン（1772 Gagarin）は、太陽系の小惑星帯に位置する小惑星の一つです。この天体は、1968年2月6日に、ソビエト連邦（現在のウクライナ）の女性天文学者リュドミーラ・チェルヌイフによって、クリミア天体物理天文台で発見されました。

発見当時、この小惑星には仮符号1968 CBが与えられていましたが、後に、人類初の宇宙飛行を成し遂げたソビエト連邦の宇宙飛行士、ユーリイ・ガガーリンを称えて「ガガーリン」と命名されました。ユーリイ・ガガーリンは、1961年4月12日にボストーク1号で地球周回軌道を飛行し、人類史上初の有人宇宙飛行を成功させたことで知られています。

ガガーリンは、軌道長半径が約2.71天文単位（AU）、公転周期が約4.47年である小惑星帯に位置しています。小惑星帯は、火星と木星の軌道の間にある小惑星が多数存在する領域で、ガガーリンもこの領域を公転しています。ガガーリンの直径は約20キロメートルと推定されており、小惑星帯の中では比較的大きな部類に入ります。

小惑星は、太陽系の形成初期に形成された天体の残骸と考えられており、その組成や軌道を研究することで、太陽系の進化に関する重要な情報が得られます。ガガーリンのような小惑星の研究は、太陽系形成の謎を解き明かす上で不可欠な要素となっています。また、小惑星は地球に衝突する可能性も指摘されており、その軌道の正確な把握は、地球の安全を確保する上でも重要な課題です。

ガガーリンの発見者であるリュドミーラ・チェルヌイフは、多くの小惑星を発見したことで知られるソ連の天文学者です。彼女の観測活動は、小惑星の研究に大きく貢献しており、ガガーリンの発見もその一つです。クリミア天体物理天文台は、ソ連時代から多くの天文学者を輩出し、数々の天体発見に貢献してきた歴史のある天文台です。現在も、天文学の研究拠点として重要な役割を果たしています。

ガガーリンの命名は、ユーリイ・ガガーリンの偉業を後世に伝えるとともに、宇宙探査の歴史における人類の進歩を象徴する出来事となりました。ガガーリンの発見は、天文学研究の進歩だけでなく、宇宙開発の歴史においても重要な意義を持っています。

この小惑星は、JPL（ジェット推進研究所）の小天体データベースブラウザで詳細な軌道要素や物理的性質を確認することができます。このデータベースは、世界中の天文学者や研究者が利用しており、小惑星の研究に欠かせないツールとなっています。ガガーリンの軌道要素、明るさ、大きさなどのデータは、今後の研究においても重要な基礎資料となります。

関連事項として、小惑星の一覧（1001-2000）も参照することで、ガガーリンの位置づけや関連する他の小惑星を知ることができます。これらの情報は、小惑星研究の理解を深める上で役立ちます。

ガガーリンは、単なる天体の一つではなく、人類の宇宙進出の象徴的な存在であるユーリイ・ガガーリンの名を冠することで、より一層重要な意味を持つ天体となりました。今後も、ガガーリンに関する研究が進められ、太陽系や宇宙に関する新たな発見につながることが期待されます。

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