ガセネタ (バンド)

ガセネタ

ガセネタは、日本のロックシーンにおいて一風変わった存在を示した伝説的なバンドです。彼らは1977年に、園田佐登志が主宰する明治大学現代音楽ゼミナールに集まったメンバー、山崎春美（ボーカル）、浜野純（ギター）、大里俊晴（ベース）の三人によって結成されました。活動当初はドラムスとして村田龍美をはじめとした様々なメンバーが加入し、変遷を遂げながら活動していきました。

音楽スタイルとメンバー

ガセネタは、自らを「最後のハードロックバンド」と名乗り、迫力ある演奏スタイルで注目を集めました。音楽評論家である間章が語ったように、彼の晩年には「このバンドのためなら何でもする」とした熱意は、彼らの非常に実験的で自由な音楽スタイルを示しています。いくつかの別名義で演奏を行っていた彼らは、唯一のオリジナル曲である「雨上がりのバラード」「父ちゃんのポーが聞こえる」「宇宙人の春」「社会復帰」のたった4曲のみで構成されていました。この限られたレパートリーにもかかわらず、ガセネタは大学のキャンパスや学園祭、ライブハウスなどで独自のスタイルを貫き活動を行いました。

メンバー間の関係も興味深く、ガセネタ解散後には、山崎春美が「タコ」と呼ばれる音楽集団を結成し、浜野純や大里俊晴も別の音楽活動を展開していきます。特に浜野は「クスリ臭いギター」と評されるほど、激しい演奏スタイルを持ち、聴衆に強烈な印象を残しました。また、大里は音楽だけでなく美術や文学など多岐にわたる才能を示し、後には大学教授として活躍しました。

解散とその後

ガセネタは1979年の3月30日に解散しますが、その後もメンバーはそれぞれの道を歩み続けました。山崎春美は1993年に初のアルバム『SOONER OR LATER』をリリースし、この作品がガセネタの音楽を世に残すことになります。解散後、彼のスタイルや音楽は影響力を持ち続け、再結成を果たすこともありましたが、2018年には独自の判断で再解散することを発表しました。

音楽的評価

ガセネタは、ジャンルの枠を超えた音楽の探求と、既存の枠に収まらない表現方法を通じて、他のアーティストたちにも影響を与えました。特に、メンバーそれぞれによるパフォーマンスや表現方法は、当時の音楽シーンに新風を吹き込むものであり、彼らのライブパフォーマンスは観客に強烈な印象を残していました。例えば、山崎の激しいパフォーマンススタイルと浜野の攻撃的なギター演奏は、多くの観客にとって忘れられない体験となったと評価されています。彼らの活動は、当時の日本のアンダーグラウンドシーンにおいて重要な位置を占め、今なお多くのファンに愛されています。

ガセネタの音楽は、既成の音楽形態にとらわれず挑戦的であり、運命的な短い活動期間ながらも、その影響は多くのアーティストに引き継がれています。短い活動にもかかわらず、彼らが残した作品は、今後も多くの音楽ファンに聴かれ続けることでしょう。

もう一度検索