ガソリン・アレイ

ロッド・スチュワート『ガソリン・アレイ』

『ガソリン・アレイ』は、ロッド・スチュワートが1970年に発表した2枚目のソロ・アルバムです。このアルバムは、彼の音楽的な多様性と、ロックンロール、フォーク、カントリーといった様々なジャンルへの愛情を示す作品として知られています。

背景と制作

当時、ロッド・スチュワートはフェイセズのメンバーとしても活動しており、本作にはフェイセズのメンバーであるロン・ウッドが全曲に参加しています。アルバムはオリジナル曲とカバー曲で構成されており、スモール・フェイセズのカバーである「マイ・ウェイ・オブ・ギビング」や、ボブ・ディランの「オンリー・ア・ホーボー」、エルトン・ジョンの「カントリー・コンフォート」といった楽曲が収録されています。

楽曲について

ガソリン・アレイ: タイトル曲であり、ロッド・スチュワートとロン・ウッドの共作。ノスタルジックな雰囲気を持つ曲で、スチュワートの青春時代への賛歌とも評されています。
イッツ・オール・オーヴァー・ナウ: ボビー・ウーマックのカバー。スチュワートならではの解釈が光るロックンロール・ナンバーです。
オンリー・ア・ホーボー: ボブ・ディランのカバー。ディラン自身が公式発表するよりも早く、スチュワートのバージョンがリリースされました。 Stephen Thomas Erlewineは「最も素晴らしいディランのカヴァーの一つ」と評しています。
カントリー・コンフォート: エルトン・ジョンのカバー。こちらもスチュワートのバージョンが、エルトン・ジョン自身のアルバムに収録されるよりも先に発表されています。

評価と影響

『ガソリン・アレイ』は、イギリスではチャートのトップ100には短期間しか留まりませんでしたが、アメリカではBillboard 200で27位を記録し、自身初の全米トップ40アルバムとなりました。音楽評論家からも高い評価を受けており、Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて満点の5点をつけ、「スチュワートはロックンロールの曲をフォークソング風に処理して、それらの曲を個性的かつ予測困難な方法で再解釈した」と評しました。

カバー

タイトル曲の「ガソリン・アレイ」は、浅川マキや真島昌利によって日本語でカバーされています。

収録曲

1. ガソリン・アレイ
2. イッツ・オール・オーヴァー・ナウ
3. オンリー・ア・ホーボー
4. マイ・ウェイ・オブ・ギビング
5. カントリー・コンフォート
6. カット・アクロス・ショーティー
7. レディ・デイ
8. ジョーズ・ラメント
9. ユーア・マイ・ガール

参加ミュージシャン

ロッド・スチュワート - ボーカル、アコースティック・[[ギター]]
ロン・ウッド - ギター、スライドギター、アコースティック・[[ギター]]、ベース
マーティン・クイッテントン - アコースティック・[[ギター]]、ギター
イアン・マクレガン - ピアノ、オルガン
ピーター・シアーズ - ピアノ
ロニー・レーン - ベース、ボーカル
デニス・オフリン - ヴァイオリン・ベース
ミック・ウォーラー - ドラムス
ケニー・ジョーンズ - ドラムス
ディック・パウエル - ヴァイオリン
ウィリアム・ギャフ - ホイッスル
スタンリー・マシューズ - マンドリン
* ハリー・レイノルズ - バッキング・ボーカル

『ガソリン・アレイ』は、ロッド・スチュワートの音楽的な才能と多様性を示す重要な作品であり、彼のキャリアを語る上で欠かせないアルバムの一つと言えるでしょう。

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