ガダルカナル (強襲揚陸艦)

USS ガダルカナル (LPH-7): 多様な任務を遂行した強襲揚陸艦

USS ガダルカナル (LPH-7) は、アメリカ海軍のイオー・ジマ級強襲揚陸艦の3番艦であり、その艦名は第二次世界大戦の激戦地、ガダルカナル島の戦いに由来します。1960年代から1990年代にかけて、大西洋からペルシャ湾まで、世界各地で様々な任務に従事しました。

起工から就役、そして初期の活動

1961年9月1日、ガダルカナルはフィラデルフィア海軍造船所で起工されました。1963年3月16日には、第22代海兵隊司令官デヴィッド・M・シャウプ大将の夫人によって命名、進水し、同年7月20日にデール・K・ピーターソン大佐の指揮下で就役しました。公試と艤装を終えたガダルカナルは、大西洋艦隊揚陸部隊に加わり、乗艦、輸送、ヘリコプター攻撃を想定した新型艦艇として、上陸作戦に柔軟性をもたらす役割を担いました。1963年10月にはグアンタナモ湾で整調訓練を行い、その後ノースカロライナ州オンズロー・ビーチでの上陸訓練を経て、ノーフォークを拠点に大西洋艦隊での訓練と即応作戦活動を続けました。1964年には第12揚陸戦隊の旗艦として、NATO軍の南スペインでの上陸演習や、オペレーション・スティール・パイクに参加しました。

宇宙船回収という特殊任務

1960年代、ガダルカナルはその活動範囲を広げ、宇宙開発史においても重要な役割を果たしました。1966年7月21日には、ケープ・カナベラル沖に着水したジェミニ10号の宇宙飛行士を回収するという、特殊な任務を成功させました。さらに1969年3月13日には、バハマ沖でアポロ9号の宇宙船を回収し、宇宙開発を支援しました。

ペルシャ湾での敵艦捕獲

1987年、ペルシャ湾での機雷掃海作業中、ガダルカナルはイランの機雷敷設艇アジャールと遭遇しました。艦載ヘリコプターによる攻撃と攻撃部隊の移乗によってアジャールを捕獲するという戦果を挙げました。これは、1815年以来、アメリカ海軍が公海上で捕獲した2隻目の敵艦という記録となりました。ちなみに、1隻目は第二次世界大戦中に護衛空母ガダルカナルが捕獲したUボートU505でした。

湾岸戦争と人道支援

1991年の湾岸戦争では、ガダルカナルはイラク北部のクルド人に対する人道支援作戦、プロバイド・コンフォート作戦に投入され、海兵隊員を輸送しました。紛争地における人道支援という重要な役割を担いました。

退役とその後

長年にわたりアメリカ海軍を支えたガダルカナルは、1994年8月31日に退役し、同日除籍されました。その後、ジェームズ・リバー予備役艦隊の一部として保管されましたが、2005年5月19日に標的艦として沈められ、その役割を終えました。

ガダルカナルは、強襲揚陸艦として、上陸作戦支援、宇宙船回収、敵艦捕獲、人道支援など、多岐にわたる任務を遂行し、アメリカ海軍の歴史にその名を刻みました。

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