ガブリエラ・サバティーニ

ガブリエラ・サバティーニ：テニス界のアイコン

ガブリエラ・ベアトリス・サバティーニ（Gabriela Beatriz Sabatini、1970年5月16日 - ）は、アルゼンチン・ブエノスアイレス出身の元女子プロテニス選手です。1990年の全米オープン女子シングルスで優勝し、世界中のテニスファンを魅了しました。

プレースタイルと特徴

サバティーニは、ボールに強い回転をかけるトップスピンを多用したグラウンド・ストロークを得意としていました。そのプレースタイルは、観客を沸かせる魅力にあふれていました。シングルス自己最高ランキングは3位で、WTAツアーでシングルス27勝、ダブルス13勝を記録しています。

彼女は、その美貌と親しみやすい人柄から「ガビー」（Gaby）の愛称で呼ばれ、テニス界のアイドル的存在として、多くのファンに愛されました。

プロとしての道のり

サバティーニは、1985年1月に14歳という若さでプロデビューを果たしました。同年には、クリス・エバートとの決勝進出や全仏オープンでの準決勝進出など、目覚ましい活躍を見せました。1985年10月には、日本の「ジャパン・オープン」でプロ初優勝を飾ります。その後も4大大会でベスト4の常連となりました。

しかし、勝負所での精神的な弱さから、決勝進出を逃すことも少なくありませんでした。1988年の全米オープンでは初の4大大会決勝に進出しましたが、ライバルのシュテフィ・グラフに敗れました。同年のソウル五輪決勝でもグラフに敗れ、銀メダルに終わりました。

全米オープン優勝とグラフとのライバル関係

1990年、サバティーニは全米オープン決勝でグラフを破り、悲願の4大大会初優勝を達成しました。当時のコーチ、カルロス・キルメイヤーの指導のもと、積極的なネットプレーを取り入れたことが功を奏しました。グラフにはその後5連勝しましたが、1991年のウィンブルドン選手権決勝では、グラフにフルセットの末に敗れました。これが、サバティーニにとって最後の4大大会決勝となりました。

グラフとはシングルスで「11勝29敗」という対戦成績を残しており、彼女に10勝以上を挙げた唯一の選手として記録されています。また、2人はダブルスでもパートナーを組み、1988年ウィンブルドン女子ダブルスで優勝を果たしています。

伊達公子との交流と日本での活躍

サバティーニは、1991年の「バージニア・スリムズ・オブ・ロサンゼルス」大会をきっかけに、日本の伊達公子選手と対戦する機会が増えました。1995年の「リプトン国際選手権」準決勝では、伊達がサバティーニに逆転勝利を収めています。

日本での試合では、プロ初優勝となった1985年のジャパン・オープンのほか、「東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメント」でも3度優勝しています。

引退とその後

サバティーニのキャリアは、1993年の全仏オープン準々決勝での敗退から陰りが見え始めました。サービスの改善が長年の課題でしたが、克服できず、慢性的な腹筋痛にも悩まされました。1996年10月、26歳という若さで現役引退を決意。同年のWTAツアー選手権では、伊達公子とともに引退式典が開催されました。

現役時代にはファッションモデルとしても活躍し、自身のブランドの香水も発表しています。2006年には、アルゼンチンのテニス選手として2人目の国際テニス殿堂入りを果たしました。

ガブリエラ・サバティーニは、その才能と美貌でテニス界に大きな足跡を残し、今もなお多くの人々に記憶される名選手です。

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