ガブリエル・ガルシア・モレノ

ガブリエル・ガルシア・モレノ：エクアドルの保守的指導者

ガブリエル・グレゴリオ・フェルナンド・ホセ・マリア・ガルシア・イ・モレノ・イ・モラン・デ・ブイトロン（1821年 - 1875年）は、エクアドルの政治家であり、二期にわたり大統領を務めました。彼の政治姿勢は保守主義的で、カトリック信仰を重視するものでした。また、自由主義の有力者であるエロイ・アルファロとの対立でも知られています。

生涯と業績

ガルシア・モレノはグアヤキルで生まれ、キト大学で神学と法律を学びました。当初は司祭を目指していましたが、友人や自身の関心から世俗の道へ進むことになります。弁護士、ジャーナリストとして活動する中で、自由主義政府への反対運動に参加し、政界へと進出しました。

ヨーロッパへの2度の訪問を経て、彼はエクアドルにおける反聖職者主義の蔓延を目の当たりにし、上院議員として反対派に加わりました。その後、大統領に選出され、教育と科学の振興に力を注ぎました。彼のリーダーシップの下、エクアドルはラテンアメリカにおける科学と高等教育の中心地となりました。

さらに、ガルシア・モレノは腐敗撲滅にも取り組み、国の経済的、農業的発展を推進しました。彼は自身の給料を慈善活動に寄付するなど、私欲を捨てて国家に貢献しました。また、カトリック教会を重視し、国家と教会の結びつきを強めました。

政治的背景と暗殺

1845年から1860年までのエクアドルは、自由主義的な政府が相次いで交代し、混乱した状況にありました。ガルシア・モレノは、このような不安定な状況から国を救い出す役割を果たしました。

しかし、彼の保守的な政策は自由主義者からの反発を招き、1875年の三選は彼に対する暗殺計画を加速させることになります。彼は就任前に教皇ピウス9世に祝福を求めましたが、その予感は的中し、彼はキトの大聖堂を出たところで襲撃され、暗殺されました。最期の言葉は「神は死せず！」であったと伝えられています。

ガルシア・モレノは、生前からフリーメイソンによる暗殺の警告を受けていました。彼は、自身が神の前に出る準備をすることこそが唯一の対策であると述べ、信仰を貫きました。彼の死後、教皇ピウス9世は、ガルシア・モレノが「信仰とキリスト者の慈善のために犠牲となって亡くなった」と述べています。

ガルシア・モレノは、エクアドルを近代化し、カトリック信仰を重視した指導者として、歴史に名を残しています。

参考文献

ガルシア・モレノ : 真理の顕揚者・殉国のエクアドル大統領　母と子の友社 編 (母と子の友社, 1938)
Catholic Encyclopedia: Gabriel García Moreno (英語)
Ecuador Online: Porträt García Morenos von Humberto Oña Villarreal (スペイン語)
edufuturo.com: Biografie García Morenos von Simón Espinosa Cordero (スペイン語)
* Hechos de los apóstoles en América: Gabriel García Moreno, vencedor del liberalismo en el Ecuador von José María Iraburu (スペイン語)

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