キト

キト：エクアドルの首都

キト（Quito）は、エクアドルの首都であり、これは同国で二番目に人口が多い都市です。2019年の国勢調査によると、人口は約197万人を超え、南米における重要な都市の一つです。また、キトは赤道に近く、北へ23キロ程の位置には赤道記念碑『ミッター・デル・ムンド』があり、そこで赤道の位置を示す線が引かれています。ただし、実際の赤道の位置には多少の誤差があります。

歴史的背景

キトの歴史は紀元前1000年まで遡ります。古代は遊牧民の土地として栄えましたが、後にインカ帝国の支配を受け、同帝国の第二の首都として発展を遂げました。インカ道がクスコからキトへと通じ、文化や商業の中心地となったのです。しかし、帝国内部の対立が激化し、インカの皇帝ワイナ・カパックの死後、内戦が勃発しました。アタワルパとワスカルがそれぞれ北部と南部を支配し、この争いがスペインの侵略を招くこととなります。

1534年、フランシスコ・ピサロが投降を促し、キトはスペインの植民地として統治されることになりました。地元の人々は改宗を強いられ、300年以上の間、スペインの支配を受け続けるのです。独立の気運が高まったのは1809年で、キトはその年に独立を宣言しましたが、一時的に鎮圧されます。しかし、1822年にはピチンチャの戦いで勝利し、ついにエクアドルとして独立を果たしました。

地理と文化

キトは新市街と旧市街から成り立っており、特に旧市街（セントロ）は歴史的建物が多く、ユネスコの世界遺産にも登録されています。サン・フランシスコ教会や大統領府、パネージョの丘の聖母像など、観光名所が多数点在していますが、治安面では注意が必要です。新市街には商業施設やホテル、レストランが多く、活況を呈しています。また、ラ・カロリーナ公園は地域住民の憩いの場ともなっています。

気候

キトは赤道に近いにもかかわらず、標高2850メートルの高地に位置するため、年間を通じて比較的涼しい気候が特徴です。特に紫外線が非常に強く、平均で12とされるため、肌への影響には注意が必要です。また、降水量は年間を通じて多く、特に6月から8月を除いては雨が降りやすい傾向にあります。

交通手段

キトの交通機関は多様性に富んでおり、路線バスやトロリーバスで新旧市街を結ぶ移動が可能です。また、地下鉄も2013年から建設され、2023年に開通しました。空の玄関口としては、マリスカル・スクレ国際空港が近郊にあり、国内外の便が発着しています。

キトは独自の文化と豊かな歴史を持つ魅力的な都市であり、その多様な表情を楽しむことができるスポットです。観光する際には、歴史的名所を巡るだけでなく、地元の人々の生活や文化に触れる体験もおすすめです。

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