ガムシャラ旅行団

ガムシャラ旅行団（ガムシャラりょこうだん）

『ガムシャラ旅行団』は、かつてEXエンタテイメントで放送され、後にTwellV（BS12）にて再放送された紀行ドキュメンタリー番組です。この番組は、定められた旅程をひたすらに進んでいく、文字通り「ガムシャラ」な旅の様子を追うことで、世界各地の知られざる風景や文化、そしてそこに生きる人々の息吹を伝えています。

番組は複数のパートに分かれており、それぞれが特定の地域やテーマに沿った長期の旅路を描いています。

Part-1 [メコン編]

メコン編では、メコン川の源流に近い中国雲南省の昆明から旅が始まります。石林や大理、景洪といった歴史や自然豊かな地を経由し、メコン川と出会いながら南下します。中国を後にすると、旅はラオスへと続きます。ルアンナムター、バンビエン、ビエンチャンといった都市や、メコンの恵み豊かなパークセー周辺、特にシーパンドン（4000の島々）の絶景を訪れます。さらにラオスからカンボジアへ国境を越え、ストゥントレンを経由し、最終的にはカンボジアのプノンペン、そしてメコンデルタの玄関口ともいえるベトナムのチャウドックへと至る、メコン川流域の多様な様相を捉えた壮大な旅路です。

Part-2 [メキシコ編]

太平洋を越え、舞台は中米メキシコに移ります。日本の空港からメキシコの人気リゾート地であるカンクンに降り立ち、旅がスタート。ユカタン半島のチチェン・イッツァのような古代文明の遺跡を訪れる冒険から、南部の山岳地帯に位置するサンクリストバル・デ・ラスカサスのような歴史ある街を散策。チアパス州からオアハカ州へと進み、オアハカ市内やサンミゲルのような趣のある街並みを巡ります。そして、グアダラハラからメキシコシティへと向かい、メキシコの歴史、文化、そして多様な風景を網羅する旅が描かれます。

Part-3 [シルクロード編]

古の隊商たちの道を辿るシルクロード編は、中国を縦断する旅です。日本の成田空港から北京を経由し、新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチへ入ります。そこからトルファン盆地のトゥエゴへ、あるいはコルラ、ニヤ、ホータンといった砂漠の中のオアシス都市を結んでいきます。ホータンからヤルカンド、カシュガルといったシルクロードの要衝を巡り、さらにタシュクルガンを経て、中国とパキスタンの国境に位置するクンジュラブ峠を目指す、歴史とロマンあふれる旅の記録です。

Part-4 [チベット編]

標高の高いチベット高原を旅するチベット編は、中国の成都からラサへの移動から始まります。ラサではショトン祭りなど、チベット独特の文化や人々の暮らしに触れます。ギャンツェ、シガツェといった歴史的な都市を巡り、さらに標高を上げながらラツェ、オールドティンリーといった村を訪れ、ヒマラヤ山脈の麓を旅します。国境を越え、ネパールのダム、コダリを経て、賑やかな首都カトマンドゥへと到達。カトマンドゥでの滞在の後、ナランガット、ビルゴンズを通り、最終的にインドのデリーへと抜ける、文化や自然、そして物理的な過酷さが織りなす旅が描かれます。

Part-5 [クロアチア編]

比較的新しい旅の舞台として選ばれたのは、美しいアドリア海に面する国、クロアチアです。首都ザグレブから旅を開始し、神秘的なプリトヴィツェ湖群国立公園を経て、海岸沿いの都市スプリットへ。スプリットからはヴィス島のような島々や、海岸線に沿ってストンといった小さな町を訪れます。そして、城壁に囲まれた「アドリア海の真珠」と呼ばれるドブロブニクへ。プレブラカ半島まで足を延ばし、クロアチアの多様な魅力を余すところなく紹介する旅となっています。

各パートを通じて、『ガムシャラ旅行団』は、単なる観光地巡りではなく、そこに到達するまでの道のりや、訪れた場所で出会う人々、予期せぬ出来事などを通して、旅の「過程」そのものに焦点を当てています。飾らないありのままの旅の様子は、視聴者に強い印象を与え、多くの発見と感動を提供しました。

もう一度検索