ヴィス島

ヴィス島：アドリア海の秘宝

ヴィス島は、クロアチアのスプリト＝ダルマチア郡に属し、本土から最も離れた場所に位置する美しい島です。面積は約90平方キロメートル、人口は約3600人。島の最高峰はフム山の587メートルです。主要な町はヴィスとコミジャで、どちらも海岸沿いに位置しています。2019年にはユネスコ世界ジオパークに指定されました。

歴史

ヴィス島には、新石器時代から人が定住していました。紀元前4世紀には、シラクサの僭主ディオニシウス1世が植民地イッサを建設。イッサは後に独立した都市国家として繁栄し、独自の通貨を持つまでになりました。紀元前1世紀には、イリュリア人のリブルニア人に占領されました。

東ローマ帝国時代にはダルマチアの一部となり、925年にはクロアチア王トミスラヴが島の支配権を獲得。中世にはヴェネツィア共和国の支配下に長く置かれました。ヴェネツィア時代やオーストリア帝国支配下では、「リッサ」と呼ばれていました。

ヴィス島北部海域は、歴史的な海戦の舞台となりました。1811年にはイギリス海軍がフランス＝ヴェネツィア連合艦隊を破り（リッサ海戦）、1866年にはオーストリア帝国艦隊がイタリア艦隊を撃破しました（リッサ海戦）。

第二次世界大戦中、ヴィス島はユーゴスラビア抵抗運動の指導者ヨシップ・ブロズ・ティトーの潜伏地の一つとなりました。戦後、ユーゴスラビア人民軍は島を主要な海軍基地としましたが、クロアチア独立後は多くの施設が再利用されずに残されています。

経済

ヴィス島の主要産業は、農業、漁業、水産加工業、そして観光です。特にブドウ栽培が盛んで、島の耕地の約2割をブドウ畑が占めています。地元のワイン用ブドウ品種が栽培され、高品質なワインが生産されています。

ヴィス島周辺の海域は魚の種類が豊富で、特にイワシ、サバ、アンチョビなどの青魚が多く水揚げされます。17世紀のコミジャ漁民は、Falkušaと呼ばれる伝統的な漁船を使い、20世紀半ばまで漁を行っていました。

観光

ヴィス島は、美しい自然と豊かな歴史が調和した魅力的な観光地です。手つかずの自然が残る美しいビーチ、澄み切った海、歴史的な建造物など、見どころがたくさんあります。また、地元産のワインや新鮮なシーフードも楽しめます。

ヴィス島へのアクセスは、スプリトからのフェリーが便利です。島内では、レンタカーやレンタバイクを利用して自由に観光できます。

まとめ

ヴィス島は、アドリア海の真珠とも呼ばれる美しい島です。豊かな歴史、美しい自然、そして美味しい食事を堪能できるヴィス島へ、ぜひ一度訪れてみてください。

参照
Adriatic Islands Project: Contact, commerce and colonisation 6000 BC - AD 600
Vis Tourist Association
Vis - Croatian National Tourist Board
Komiza - Island Vis Tourist Association
Vis Island Guide
Old Salts: Story about Dalmatian fishermen and their falkuse.

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