ガルガーネガ

ガルガーネガ：イタリアを代表する白ブドウ品種

ガルガーネガは、イタリア原産の重要な白ワイン用ブドウ品種です。特にイタリア北部のヴェネト州、ヴェローナ県やヴィチェンツァ県で広く栽培されており、この地域のワイン造りに深く根ざしています。イタリア国内では、白ワイン用品種として栽培面積で第8位を占めるほど重要な品種です（2010年データ）。

ガルガーネガは、ヴェネト州を代表する白ワイン、ソアーヴェの中心品種として知られています。ソアーヴェにおいては、ガルガーネガの使用比率が70～100%と定められており、その品質を大きく左右します。また、ガンベッラーラなどのワインにもブレンドされ、その風味に貢献しています。

グレカニコ・ドラートとの同一性

2003年と2008年のDNA解析により、ガルガーネガはシチリアで栽培されているグレカニコ・ドラート（グレカニコ）と同一品種であることが科学的に証明されました。以前から、ガルガーネガとグレカニコの間には、房や果実、葉の形状に類似性が指摘されており、関連性の高さが推測されていましたが、DNA解析によってその関係が明確になりました。

生産地域とワインの特徴

ソアーヴェでは、ガルガーネガを主体としたワインが造られており、残りのブレンドにはトレッビアーノやシャルドネが用いられることが一般的です。特に、厳しい基準を満たしたソアーヴェ・クラシコは、レモンやアーモンド、スパイスのような繊細な香りが特徴です。ソアーヴェ以外にも、ガンベッラーラ、ビアンコ・ディ・クストーザ、コッリ・ベリチ、コッリ・エウガネイなどのDOCワインにも使用されています。ヴェネト州以外では、ウンブリア州やフリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州でも一部栽培されています。

シチリアでは、グレカニコ・ドラートとして栽培されており、成熟が遅いという特徴があります。この品種から造られるワインは、シャープな酸味が際立っています。

栽培とワインの特性

ガルガネーガは生育が比較的遅く、樹勢が非常に強い品種です。ソアーヴェ・クラシコの生産地域外の肥沃な平坦地では、収量が多くなりすぎる傾向があります。その結果、ワインは薄く、香りの少ないものになることがあります。しかし、ガルガネーガは酸味が強いため、レチョートのような甘口ワインの生産にも適しており、10年以上の長期熟成も可能です。

系統と近縁品種

2008年のイタリアの研究では、DNA解析によってガルガネーガがアルバーナ、カタラット、Empibotte、Greco Bianco del Pollino、Malvasia di Candia a Sapore Semplice、マルヴァジア・ビアンカ、モントニコ・ビアンコ、トレッビアーノ・トスカーノといった他のイタリアのブドウ品種と近縁であることが示されました。これらの品種の中には、ガルガネーガを親に持つものもあると考えられています。しかし、これらの品種間の正確な関係はまだ解明されておらず、ガルガネーガの親品種も特定されていません。特筆すべきは、これらの近縁品種がイタリア南部から北部にかけて広く分布しており、トレッビアーノ・トスカーノに至ってはイタリア国境を越えてフランス（ユニ・ブラン）でも栽培されていることです。このことは、ガルガーネガがイタリアの白ブドウの系譜を解き明かす上で重要な役割を果たす可能性を示唆しています。

ガルガーネガは、その多様な特性と幅広い用途から、イタリアワインにおいて重要な地位を占めるブドウ品種です。

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