ガワール油田

ガワール油田：世界最大の油田

ガワール油田は、サウジアラビアに存在する、世界最大の埋蔵量を誇る巨大油田です。その規模は南北に約280km、東西に約50kmと広大で、広大な面積を有しています。

発見と開発

1948年に初めて原油が確認されて以降、周辺地域で次々と原油の存在が確認されました。当初、その巨大さから複数の油田として認識されていましたが、後に一つの巨大な油田であることが判明しました。1951年に生産を開始して以来、日量平均約500万バレルという驚異的な量の原油を産出し続けており、その累計生産量は550億バレルに達します。

サウジアラビアにおける重要性

ガワール油田の生産量は、サウジアラビア全体の原油生産量のおよそ60%を占めており、同国経済において極めて重要な役割を果たしています。推定可採埋蔵量は800億バレルとされていますが、サウジアラビアは最終的に1200億バレル程度の生産が可能であると見込んでいます。

世界の油田との比較

ガワール油田は、生産量、埋蔵量ともに世界の既発見油田の中で圧倒的な規模を誇ります。生産量で2位の油田の2倍以上の原油を産出しており、日量500万バレル以上の原油を生産している国は、ロシアとアメリカ合衆国くらいです。埋蔵量では、2位のクウェートのブルガン油田（湾岸戦争時に破壊）が600億バレル以上の埋蔵量を持つものの、3位以下の油田はガワール油田の半分にも及びません。北海油田全体の埋蔵量を合わせても、ガワール油田の半分程度に過ぎません。

近年の状況と懸念

ガワール油田は、世界の原油市場において非常に重要な存在です。しかし近年では、原油の自噴圧力を維持するために、大量の海水が圧入されており、原油への水分混入比率が上昇傾向にあります。そのため、油田の老朽化と枯渇による生産減退が始まっている兆候であるとの指摘も出ており、今後の原油市場における供給不足が懸念されています。もっとも、OPECなどの産油データの一解釈に過ぎず、サウジアラビアを含め「市場に大きな影響を与える枯渇はまだ先だ」という意見が大勢を占めています。

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