ガンマー第3号 宇宙大作戦

ガンマー第3号 宇宙大作戦

『ガンマー第3号 宇宙大作戦』は、1968年に日米共同制作で公開されたSF特撮映画で、著名なメトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）と東映、ラム・フィルムの連携によって製作されました。この作品は、地球に接近する危険な宇宙遊星の爆破を目指し、国連宇宙センターの宇宙ステーション「ガンマー3号」が舞台となり、緊張感溢れるストーリーが展開されます。

映画の背景

本作は、1966年に公開された『海底大戦争』の成功を受けて、再び日本とアメリカの映画制作者が協力して作り上げた作品です。日本人キャストはスタッフを除き外人俳優で構成されており、監督は深作欣二と田口勝彦が共同で担当しました。特に注目すべきは、ヒロインを演じたルチアナ・パルッツィが、英米合作の名作『007 サンダーボール作戦』にも出演している点です。

日本国内では、1968年12月8日に公開され、同時上映された作品には『ピノキオの宇宙大冒険』などがありました。また、この映画の特撮効果は、日本特撮映画株式会社が担当し、数々の特撮作品でその名を馳せた渡辺明氏が関与しています。映画の中では、宇宙怪物「フローラ」の鳴き声や設定の一部が、他の東映作品からの流用があるなど、互いに影響し合いながら制作されたことが伺えます。

ストーリー概要

物語は、地球の衝突コースを進む二等遊星「フローラ」の発見から始まります。この遊星は質量600万トンで、地球への影響が懸念されました。国連宇宙センターの宇宙ステーション「ガンマー3号」から、これを爆破するための隊が派遣されます。爆破作戦には成功するものの、ガンマー3号に戻る宇宙船内部には未知の宇宙生命体が侵入していました。この生命体は電気エネルギーを吸収し、その後も増殖を続け、人間たちは恐怖に包まれていきます。指揮官であるランキン中佐は、旧知のエリオット少佐と共に命懸けの作戦を展開し、乗員たちを救うために奮闘します。

キャラクターとメカ

映画に登場する人物たちは外国人キャストが大半を占めており、声優には日本の著名な俳優が起用されました。特にランキン中佐を演じる納谷悟朗氏や、エリオット少佐役の村越伊知郎氏が印象深いです。また、登場するメカも魅力的で、大学生や子供たちの心を捉えました。「ガンマー3号」はドーナツ型の宇宙ステーションで、作戦基地として重要な役割を果たしました。

文化的影響

クエンティン・タランティーノ監督もこの映画のファンであり、来日時には深作欣二と対面し、サインを貰うためにレーザーディスクを持参していたというエピソードも存在します。このことは、作品が日本国内外でいかに影響力を持っていたかを示しています。

結論

『ガンマー第3号 宇宙大作戦』は、1960年代の特撮映画の中でも特に記憶に残る作品であり、時代を超えた魅力を持っています。地球の未来を守るために立ち上がる人々の物語は、今も多くの映画ファンを惹きつけています。

もう一度検索