ガーバーマークIIとは？意味をやさしく解説

ガーバーマークII：伝説の戦闘ナイフの全貌

ガーバー・レジェンダリー・ブレード社が1967年から製造したガーバーマークIIは、戦闘用ナイフとして知られています。元アメリカ陸軍大尉のバド・ホールズマンが古代ローマのグラディウスを参考に設計したこのナイフは、ベトナム戦争で使用され、高い評価を得ました。2000年まで製造された後も、記念モデルとして何度か生産が再開されています。

特徴的なデザインと機能性

全長約30cm、刃渡り約16.5cmのマークIIは、独特の湾曲した両刃と特徴的な形状の柄が特徴です。第二次世界大戦で使用されたフェアバーン・サイクス戦闘ナイフにも似たデザインで、高い操作性を誇ります。初期モデルは、鞘からの抜き差しと独特の握りを考慮して刃に5度の角度がついていましたが、ユーザーからの評判が悪く、後のモデルではこの角度はなくなりました。

柄は当初アルミ製でしたが、その後、樹脂製のグレーハンドル、そして黒いアルマイト加工ハンドルへと変更されました。鋼材も初期のL6工具鋼から440Cステンレス鋼、154CMステンレス鋼、420HCステンレス鋼へと進化を遂げています。

シース（鞘）も初期の皮製から、より耐久性の高いナイロン製へと変更されています。また、限定モデルとして真鍮製のヒルトとウッドハンドルを持つプレゼンテーションモデルや、ベトナム戦争記念モデルも存在します。

軍用ナイフとしての評価と使用例

ベトナム戦争での使用実績から、Ka-Barナイフに次ぐ高い評価を得たマークII。しかし、その高い切れ味と殺傷能力から、『Hit Man: A Technical Manual for Independent Contractors』という殺人マニュアルで推奨されたこともあり、物議を醸しました。

戦闘用ナイフとしてだけでなく、狩猟用ナイフとしても使用されており、初期にはダイバーズナイフモデルも存在しました。1970年代には軍の基地売店から販売中止になったものの、サバイバルナイフとして販売が再開され、より幅広い用途で使用されるようになりました。

日本における規制

日本では、刃渡り5.5cm以上の両刃ナイフは「ダガー」として所持、所有、流通が禁止されています。そのため、マークIIを合法的に所有するには、片刃を切り落として改造する必要があります。2009年以前は流通していましたが、形状から輸入に苦労し、警察庁の決定で出荷停止になったこともあったそうです。

映画作品への登場

マークIIは、数々の映画作品にも登場し、その存在感を示しています。

沈黙の戦艦 (1992)：スティーブン・セガールが使用
暴走特急 (1995)：エヴェレット・マッギルが使用
マッドマックス2 (1981)：メル・ギブソンが使用
エイリアン2 (1986)：食堂シーンに登場
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー (2014)：ウィンターソルジャーが使用

これら以外にも、多くの作品でその姿を見ることができます。

まとめ

ガーバーマークIIは、その高い性能と歴史から、今もなお多くのファンを魅了する伝説的な戦闘ナイフです。デザイン、機能性、そして歴史背景を知ることで、その魅力をより深く理解できるでしょう。ただし、日本における規制には十分注意する必要があります。

その他のガーバーナイフ

マークII以外にも、ガーバー社はコマンドII、コマンドIといった兄弟モデルも製造しています。コマンドIIは片刃のナイフで、軍用ナイフとしての特徴が若干異なります。日本国内でも「BＯXXXX」というロットナンバーのモデルが確認されています。これらのモデルも、日本での規制対象となる可能性がある点には注意が必要です。

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