キア・ピカント

ピカント (PICANTO)

ピカントは、大韓民国の自動車製造会社である起亜自動車によって生産される小型乗用車です。この車は、韓国市場ではモーニング、台湾市場ではユーロスターという名称で知られています。2004年から2007年までの間、ピカントは小型車として位置づけられましたが、2008年以降は軽自動車に分類されるようになりました。興味深い点は、ピカントが韓国で初めて1,000ccのエンジンを搭載した車両であり、その製造は起亜自動車ではなく、忠清南道の子会社である東熙ホールディングスによって委託されて行われています。

M-Carからの進化

ピカントの起源は1991年に遡ります。当時、起亜自動車は新型軽自動車としてティコの発売を受けて次世代コンセプトカーの開発を開始しました。このプロジェクトでは、通常とは異なり、社内のデザインルームで直接開発が行われました。結果として、1993年の東京モーターショーではこのM-Carが初めて公開されましたが、市場環境の変化により発売は見送られることになります。

その後、1995年にはモーニングコンセプトとして登場し、実際の製造は2003年から始まりました。フランクフルトモーターショーでの発表を経て、韓国で正式に販売されるようになります。初代は、999ccの直列4気筒ガソリンエンジンを搭載し、販売は好調に推移しました。特に2008年に軽車基準が改正されたことで、ピカントはその後一気に販売台数を伸ばし、起亜自動車の収益に大きく貢献しました。

2代目の登場

2011年には待望の2代目ピカントが発売され、6エアバッグを全車に標準装備するなど安全性の面でも評価されました。このモデルは5ドアハッチバックを中心に展開し、エンジンも市場のニーズに応じて複数の種類が用意されました。これにより、韓国における競争力が一層強化されました。

3代目ピカント

2017年には3代目となるモデルが発表され、さらなる進化を遂げます。エンジンラインナップには性能が向上したターボモデルも追加され、さらに多様な顧客ニーズに対応できるようになりました。また、韓国市場では安価で多機能な車両として高い評価を維持し、販売数量が急増したことも注目されます。

最新の改良モデル

2020年にはフェイスリフトモデルが登場し、利便性が向上されたほか、2023年には再度フェイスリフトが施されました。運転席に関する改良やテクノロジーの向上が図られ、現代のニーズに応える形となっています。

車名の由来

ピカント（PICANTO）という名称は、スペイン語およびイタリア語で『辛い』という意味を持つ『Picante』や『Piccante』から来ています。また、韓国市場での名称であるモーニング（MORNING）は、大韓民国の伝統に由来した『朝凪』を意味しています。こうした背景を持つピカントは、韓国国内外で多くの支持を受けているモデルです。今後も、ピカントのさらなる進化と成長が期待されています。

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