キエフ連隊

キエフ連隊：ドニプロ・ウクライナにおけるコサックの足跡

キエフ連隊は、17世紀半ばから18世紀末にかけて、ドニプロ・ウクライナに位置したコサックの連隊であり、コサック国家における重要な軍事・行政単位でした。連隊はキエフ連隊区とも呼ばれ、その名は連隊庁所在地の一つであったキーウ（現在のキエフ）に由来します。

連隊の構成と変遷

キエフ連隊は、17の百人隊を含む大規模な組織でした。1648年から1708年まではキーウが、1709年から1782年まではコゼレーツィが連隊庁所在地として機能しました。しかし、1667年にロシア・ツァーリ国とポーランド・リトアニア共和国の間でコサック国家が分割されると、連隊もまた分割の憂き目に遭い、左岸ウクライナにおいて存続することとなりました。

ロシア帝国による再編

1782年、キエフ連隊はロシア帝国によってキエフ代官地に編成され、その役割を終えました。これは、コサック国家の自治が徐々に失われ、ロシア帝国の支配が強化されていく過程を示す出来事と言えるでしょう。

歴史的意義

キエフ連隊は、当時のウクライナにおける政治、軍事、社会構造を理解する上で重要な手がかりとなります。連隊の活動や変遷を辿ることで、コサック国家の盛衰、周辺国との関係、そしてウクライナの歴史における位置づけをより深く理解することができるでしょう。

参考文献

伊東孝之・井内敏夫・中井和夫（編）『ポーランド・ウクライナ・バルト史』、世界各国史、山川出版社、1998年.
黒川祐次『物語ウクライナの歴史』、中央公論新社、2002年.
Заруба В.М. Адміністративно-територіальний устрій та адміністрація Війська Запорозького у 1648-1782 рр. – Дніпропетровськ, 2007.
Горобець В. Історія українського козацтва: нариси у 2 т. – Київ: Києво-Могилянська академія, 2006, Т.1. – Полково-сотенний устрій Гетьманату.
Gajecky, George. The Cossack Administration of the Hetmanate. 2 vols. Cambridge, Mass., 1978.

外部リンク

キエフ連隊 // ウクライナ百科事典（英語）

もう一度検索